1989年にドクター・フーが途絶え、空白期間を経て1996年にアメリカでのシリーズ再始動を目的として映画がリリースされる。
ところがドクターが人間とのハーフという設定とグレースとキスをしたという2点でファンたちに激怒されシリーズ化もお流れになってしまった。
しかしドクター・フーが復活するかもしれないということで空白期間、ニッチもニッチなファン層扱いされていたアメリカのフィーヴィアンたちの活動が活発化。アメリカのフーヴィアンたちがスタートさせたコンベンションGallifrey Oneを通して皆がファミリーのように繋がっていく。その素晴らしさをDoctor Who movieのシナリオライター、マシュー•ジェイコブの目を通して描かれる。
まぁこのマシューさんという人が哀愁漂いまくるキャラクターで。ハリウッドでシナリオライターとしては言ってしまえば全然芽が出ていない。しかもDoctor Whoを途絶えさせてしまったことで最初は怖くてコンベンションにも参加したことがなかった。ところが背中を押されて参加してみれば皆にとても暖かく迎えられ、ここにくれば自分が“なにものかになれる”という驚きと感動、そしてまた参加しているファンたちもそれぞれに自分と同じように人生の荒波と戦いながらこのコンベンションにいる間は”なにものかになれる“魔法のような時間を過ごす。一瞬のセラピーのようなものでもあるとはマシューさんの言葉。
アメリカのフーヴィアンの熱意がもの凄かったおかげでイギリスのフーヴィアンたちもこのコンベンションに参加することで解き放たれたとか。自分の“好き”な気持ちをそれぞれ自由に表現し噴出させてもここでは受け入れるしわかってもらえるという、そのことがとても心地よいファミリー感をかもしだしている。
ポール・マッギャンさんのインタビューもはさまっているのだけれども、Gallifrey Oneやコンベンションでのファンとの繋がりをすごく特別な何かととらえていて、語り口調が熱くなっていて本当にファミリーのように大切に思っているんだなぁとちょっとこのあたりはスパナチュファミリーのドキュメンタリーを思い出したり。
あと8のターディスのコンソールをアメリカのフーヴィアンさんが所持していて、「アメリカにある唯一本物のターディスのコンソールだから責任を感じている」って語ったのが印象的。
プロデューサーのシーガルさんに自分が所持していることを話したらめちゃくちゃ喜んでもらえてメンテナンスグッズ(もしくは完璧にするためのパーツかな?)をプレゼントされたとか。
シーガルさんの元にもマシューさんは訪ねていって話しをしたんだけれど、なんとシーガルさんは当時ドクターにキスをさせたということで実施にファンに殴られたこともあったとか。でもマシューさんがあのシナリオに込めたドクター・フーへの深い想いを完全に理解していて、かっこいいヒーローがキスして何が悪いーとか人間とのハーフの何が悪い人間だってエイリアンだって2人で熱く語っているのがすごいよかった。いい加減な気持ちで作ったわけじゃないから、見ればみるほど良さがしみてくるかんじなんだな。(8が映像で見られる貴重感もあって)
8のファンはオーディオでどんどん8を好きになっていった人たちが多くてRTDでドクター・フーが復活した今となってはClassicとnu whoをつなぐ大切な架け橋的存在でもあるという捉え方。
空白期間をフーヴィアンでいたフーヴィアンさんたちの結束感というか連帯感はまた格別なものがあるなぁと。
あとマシューさんのお父さんが俳優で1stの西部劇のエピソードでホリデー役で出ていたこと。それもあってドクター・フーは子供時代の思い出と密接に繋がっている。マシューさんのお母さんは1963年に自殺で亡くなられたそうなのだけれど、その哀しみもドクター・フーを見ていた記憶と繋がっていてたぶんそれはどのファンにもあてはまると。
有名なというかテナントさんとマッスミさんが一緒にグレアム・ノートンに出演した時に登場していたダーレクのコスプレをしたフーヴィアンさんや腕にサインの刺青をしたというフーヴィアンさんも登場する。いかに家族にとってドクター・フーが中心であるか、ドクター・フーのおかげで出会って結婚してという話も枚挙がない感じで、家庭の中心にドクター・フー。というか人生がドクター・フーを中心に回っているとも言えなくもなく(幸せな意味で)
コンベンションでのマッギャンさんも常連のファンのみなさんの顔覚えているようで顔馴染みのファンの方に声をかけたりしてるところはなんかこの人めちゃくちゃ誠実でいい人なんだなぁと好感度激あがり。
そうそう。8のマスターも出てきた!
少しだけだけどでもカッコよかった。(内容ほっとんど思い出せねぇ)
ドクター・フーのおかげでいろんな形で救われたヒト救われている人たちがいっぱいいるんだなぁと。そこはきっとどこのファンダムでもいえるんだろうけれど、少なくともマシューさんの目を通したドクター・フーのファンダムはとてつもなくあたたかい感じがして泣けた(厳しいツッコミもされまくるけれど)
そうそうマッギャンさんがマシューさんにファンはruthlessでもあるといってたのも笑った。笑ったというか、この間読んだマッギャンさんのインタビューで自分がドクター・フーを壊してしまったと思ってすご罪悪感があったみたいなことを言ってたので、相当バッシングされたりファンから容赦ないことばを浴びせかけられたりもしたんだと思うんだけれども、それだけにマッギャンさんがフーヴィアンを格別に好きでいてくれるのは嬉しいなぁと。だからコンベンションに何度でも戻ってきたくなるって、マッギャンさんのコンベンションやDW関連番組の参加率の良さってファンの人たちを大切に思ってるからこそなんだなぁと思ってしまった。
なんかこうして書きだすとなんであんなにボロ泣きしたんだって不思議になるくらいなんだけれどめちゃくちゃ泣けた。あたたかい感じに泣けた。見終わったあとはいまもまだすごくいい気分でいるので、見てよかったなと。
英語字幕なかったけどほぼ困らなかったのでそこも助かったー。DWへの愛を理解するのに言語の壁は関係なかった!というところで。