“白人はダンクシュートができない”という通説(?)を逆手にとったコメディ。
ビリー・ホイルは8000ドルの借金の返済を迫られ恋人のグロリアと逃げ回っていた。
ベニス・ビーチのバスケットコートで2on2で賭をしてお金を儲けているシドニーとコンビをくみ、あちこちのコートを回って勝負しかけてお金を稼ぐ二人。
ある時、大きく儲けようとこれまで貯めてきたお金を全部かけるがシドニーの調子が悪くて負けてしまう。
白人はバスケットボールが下手くそという黒人たちの先入観を利用して、自分たちを侮らせて置いてから圧倒的な実力で相手を負かすシドニーとビリーを見るのはとにかく爽快。
驚いたことにウエズリー・スナイプスもウディ・ハリソンもスタントダブルではなく自らプレイしたとか。
笑えるこぼれ話として、ウディ・ハリソンはウエズリー・スナイプスに自分がダンクシュートができることを隠して、自分がダンクシュートを決められるかどうかという賭けを持ちかけ、まんまと決めて見せたらしい。その時のウエズリ・スナイプスの顔は忘れられないとか。
この映画のいいところはとっても自然にリアルな日常を描いたところなのではないかと思う。
黒人の人たちの暮らしぶりやコミュニティでの彼らの習慣。
その中にホワイトボーイであるビリーが飛び込んでいくことになるのだけれども、黒人文化に大いに影響を受け、人種的偏見を全く持たないビリーであっても、白人であるが故に彼らとのコミュニケーションに微妙なズレが生じたりする。
ビリーもシドニーもバスケが抜群にうまいということや生活に必死という点で共通するところもあり、そこを起点に時に衝突しながらも分かり合えたり協力しあえたりもする。
お互いがお互いの悪口を全く言い合えない方が不健全だし、気が合う気が合わないというのは結局個々人同士の相性になってくるので、日常レベルではこんな感じで付き合っていければいいんじゃないかとそんなことを思ってしまった。
追記:
「The Fresh Prince of Bel-Air Reunion」の感想に書こうと思って書き忘れていたことなのだけれども、「The Fresh Prince of Bel-Air」の脚本は、月曜日に本読みをして、火曜日〜水曜日にキャストがアイデアを出しあい"これは黒人のセリフsじゃない”とか”黒人の振る舞いではない”と言う点をライターにフィードバックして修正を加えていく作業を全エピソードでやっていたおかげで、とてもAuthenticでVividなドラマになったそうだ。上の記事によるとそれと同じことをこの映画でもやっていたようだ。
キャストからの人種や肌の色にまつわる体験や意見をきいて作品に反映したおかげで、白人の監督であっても"Colourblind"なキャラクターになることを免れているということだ。
"Colourblind"ということばを見て、なるほどなぁと思うところがあったので。
何がどうとはっきりとわかったとかそういうことでは無いんですが、何かもやっとしていたものに少し手がかりをもらったようなというそういうことで、覚書として。
私の好み度: ⭐️⭐️⭐️⭐️/5
🍅: 77%