So Be It

見た映画の感想。時にネタバレを含んでいますのでご注意ください。

復讐鬼 (No Way Out)

チャド兄が「42」で演じていたジャッキー・ロビンソンがブルックリン・ドジャーズに入団したのが1947年4月15日。

白人の野球チームに初めて入団した黒人選手となった。

これがきっかけで野球界のみならずスポーツ界で黒人選手の登用が進み、スポーツ界での人種隔離政策は事実上無効になっていったとされる。

 

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この「No Way Out」は1950年にリリースされた映画。

驚くほど直球に低所得層の白人による黒人への憎悪が描かれている。

 

 強盗の常習犯レイとジョニーはついに逮捕されるが二人とも銃で撃たれ負傷していた。 彼らの担当となったのが新人の医師ルーサー・ブルックスだったが彼が黒人であったためレイは彼からの治療を拒もうとする。

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 レイに罵られる中でルーサーはジョニーの容体がおかしいことに気がつき、処置を施そうとするがジョニーは死んでしまう。

 レイはジョニーを殺したとルーサーへの憎悪を一段とたぎらせ、ルーサーは自分の判断は間違っていなかったと確信しているものの事実を明らかにするためにジョニーの死因を探るべく解剖したいと申し出る。

 しかし、解剖は家族の許可がなければできずレイがそれを許すはずもなかった。レイはルーサーへの報復に黒人街を襲撃する計画する。

 

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 レイの憎しみはあっという間に周囲を巻き込み、黒人街の襲撃へと事態は発展しそうになるが、先にその計画を聞きつけた黒人たちが先手をうち返り討ちにする。

 黒人たちが白人たちの計画を知ったのが、白人に紛れ込むことのできるライトスキンカラーの黒人のおかげというのがすごくリアルだと思った。

 

 ここでは主に低所得層の白人による黒人への憎しみからくる暴力が描かれていて、ルーサーをインターン時代から導いている医者のサム・モーランドは白人ではあるけれども肌の色やその出自、所得などで人を差別することのない公正な人物として描かれている。

 

 レイの黒人への憎しみは最後には「どうして誰も俺を愛してくれないんだ」という叫びに集約されるのだけれど、そもそも人種隔離政策というのが低所得層の白人と黒人が結束することを阻むために作られたもので、白人であるということに優越を持たせようと白人が自由に黒人を罰する権利を与えたという(だから白人による黒人への集団リンチや木に吊るすなど私刑が平気で横行していたのかと、すみません、今更ようやく理解しました💧)

 

この映画ではジョニーの元妻であるエディが最初は黒人を意味なく嫌っていたのが自分が持っていた根拠のない偏見と嫌悪から脱却し、レイの暴力に怯えながらも彼女なりにルーサーを助けようと立ち向かう。

 

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ルーサー・ブルックス医師を演じているのがシドニー・ポワチエ。

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すっごく若い!!!

その彼がレイに差別的罵詈雑言を投げつけられまくるのを見るのは本当に辛かった。

このレイを演じていたのがその後「長い船団」と「駆逐艦ベッドフォード作戦」でもシドニー・ポワチエと共演しているリチャード・ウィドマーク。

下衆野郎を演じさせたら天下一品というイメージがすっかり私の中に定着してますが、裏を返せばそういう役を演じることができる勇敢な俳優さんということで、3度も共演したということはポワチエさんとも息が合っていたに違いない。

ああ、この人が何かポワチエさんについて話しているインタビューはないかしらーと思い検索してみましたとも!

 

 

 インタビューではないんですがこの映画について話していたのでペタリ。

 レイシストのレイを演じて、シーンの撮影でカットがかかるたびにシドニー・ポワチエのもとに行って「あれは私の言葉じゃなくて役柄上そう言っているだけなんだからね」と謝りにいったとか。以来、お友達と呼べる存在となったそうです。

 これシドニー・ポワチエにとって初めての映画だったんですね!!!

 

archive.nytimes.com

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私の好み度: ⭐️⭐️⭐️⭐️/5 

🍅: 90%

www.imdb.com