So Be It

見た映画の感想。時にネタバレを含んでいますのでご注意ください。

殺戮の星に生まれて/Exterminate All the Brutes (Exterminate All the Brutes)

白人至上主義がどのように生まれたか。

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HBOのドキュメンタリーなのですが、U-NEXTがすすめてきたので見てみました。

 

 

以下、U-NEXTから引用

 

ストーリー

今日に至るまで、歴史の中で文明化、植民地化、殲滅を脈々と繰り返してきたアメリカ。アメリカの歴史を紐解きながら根底に流れる思想を探る。また、部族間や、国と国との間で争いが起きるようになり、銃器の開発が戦争の性質を一変させたことにも言及する。

 

第1話: アメリカの光と闇 ヨーロッパから信念を掲げてやってきた入植者たちが、新世界・アメリカで先住民と遭遇し何が起きたのか。ラウル・ペック監督が自身の生い立ちとアメリカの歴史をひも解きながら、根底に流れる思想を探っていく。

 

第2話: コロンブスの功罪 コロンブスによりヨーロッパからアメリカ大陸への航路が発見された。しかし、ヨーロッパの自民族中心主義は中南米の先住民に悲劇をもたらす。やがて奴隷貿易が始まり、自民族中心主義は科学的人種差別へと結びつく。

 

第3話: 遠くからの殺戮 ジョージ・ワシントンが行った自国の武器産業を活性化するための努力、アメリカの外交における基本方針となったモンロー主義はどんな結果をもたらしたのか?これまでに人類が行なってきた数々の残虐行為も明らかに。

 

第4話: 目くらましのファシズム アメリカの真の歴史と変換を追い、先住民たちの生き残りをかけた戦いや奴隷問題を発端として現代にも根深く残る人種問題に触れる。また、過去に白人が犯したナショナリズムを振り返り、現代社会に警鐘を鳴らす。

 

 

 

 このドキュメンタリーを作ったのは「私はあなたのニグロではない」のラウル・ペック。

 

元になっているのはラウル・ペックが出会った3冊の本で1冊目がスヴェン・リンドクヴィスというスウェーデンのノンフィクション作家の著書でドキュメンタリーのタイトル「Exterminate All the Brutes」もこの著作からとっている。

 2冊目がロクサーヌ・ダンバー・オルティス(Roxanne Dunbar-Ortiz)著作「An Indigenous Peoples' History of the United States」。

 3冊目がMichel-Rolph Trouillot著作の「Silencing the past」

  そしてラウル・ベック監督自身の体験を交えてドキュメンタリーは構成されている。

 

 

 人種差別がいかにはじまり、歴史においてホロコーストがどのように行われてきたかなど、西洋観点からの世界史を「発見」、「開拓」、「文明化」、というようなオブラートな単語で表現しているものが、実際はどういうものだったのか。

 ユダヤ人のホロコーストも決してナチス、ヒトラーが初めてではないということ。 教養の高い人たちが「野蛮」、と見做したものはその時点で自分たちがどのように扱って構わないものという認識となり、ホロコーストに繋がっていく過程など、ショッキングではあるけれども、そう読み解いてもらうと、とても腑に落ちる。

 大航海時代でアメリカ大陸を発見した西欧人がアメリカに住む先住民を恐ろしいペースで虐殺。それを憂いた思想家が労働にはアフリカの黒人が向いていると提言してそこからとんでもない速度でアフリカから黒人がアメリカ大陸へと大量に運び込んだことなど、ホワイトウォッシュされた歴史観ではない視点で世界史をふりかえる。

 ファシズムがどのように形成されていくのかなど、見抜く目を少しでも養うという点で見てよかったと思う。

   このドキュメンタリーを見終わると「文明化 (Civilization)」、「植民地化(Colonization)」、「Extermination(殲滅)」の3単語はもはやホラー。

 

「So you want to talk about race」の著者 Ijeoma Oluoがこのドキュメンタリーに関してラウル・ペック監督にインタビュー

 

 

  日本語でのレビューが見つけられなかったので。

time.com

 

www.imdb.com