「ゾンビランド」はこの映画にインスパイアされたということなんでしょうか...?
生き延びるためのルール。生存者によるロードトリップ、擬似家族化...思いっきり「ゾンビランド」を思い出したので、「ゾンビランド」はこの映画のリメイクなのかなと思いかけました。
動物愛護アクティヴィストにより霊長類研究所から凶暴化するウィルスに感染したチンパンジーが脱走。
28日後、交通事故で昏睡状態に陥っていたジムが病院のベッドで目を覚ます。
院内は荒れ果て、人の姿はない。状況を把握しきれない状態でロンドンの街に彷徨いでるジム。感染者に襲い掛かられたところセリーナとマークに助けられ、ロンドンがウィルスに侵され、感染していないものはとっくに国外に避難したと聞かされる。
感染したら凶暴化するウィルス。
空気感染はしないらしい。
噛まれるか血が体内に入ってしまうと感染する。
現実にパンデミックでロックダウンということを経験したおかげで、感染したらゾンビになってそれが襲ってくるとか、凶暴化して手当たり次第に襲ってくるという事態はつくづくとんでもないなぁと思ってしまう。
ホラー映画的なものを覚悟していたら思いがけずほのぼのしたり楽しいシーンもあったりして、そこはありがたがった。
いい加減、ホラー映画を怖がる必要はないのかもしれないとは思いつつ。 でも無駄にグロいシーンがイメージとして頭に残るのはやっぱり嫌なので。
ウィルスに感染しなくとも人もチンパンジーも場合によってはあのくらいには普通に凶暴になれるわけで、まだウィルスに感染したせいで凶暴化したという方が可愛げがあるのかもしれない。 ジムも紙一重に凶暴化していたし。
感染してそのまま繋がれていたメイラーは凶暴だったけれどもなんらかの意思も見えかくれしているような気配もなくはなかった。彼が黒人だったのは”ホラー映画で真っ先に殺されるのは黒人”というセオリー通りということなのか、それともなんらかのメタファーなのか、特に意味はないのか....そんなこともチラッと思いながら。
女性の存在を未来と捉えているのか性欲の吐口と考えているだけなのか。未来といえば聞こえがいいけれども、まぁ有り体にいえば子供製造機という捉え方なのか。
クリストファー・エクルストン演じるヘンリー・ウエスト少佐は気がつけば独裁者の道を歩んでいる。パンデミックが起こったのはイギリスだけで他の世界は無事なのではないかという考え方を徹底的に嫌い排除しようとする。
この場合、どっちが正解かなんて確認してみない限り断定はできないじゃないかというところで、本当に助かりたいのであれば、なんとかして外の世界の情報を得る試みを続けそうなものだけれども、次第に壁の中のルーティンと自分の裁量権に心地よさを感じて手放したくなくなってしまったのかもしれない。
出ていれば役柄問わずでついついそちらに心情を寄せてしまう俳優、 クリストファー・エクルストン、キリアン・マーフィを思いきり差し置いて、私の心を今回鷲掴みしたのはハンナちゃん。
生き残り組メンバーの中で1番幼い彼女のドライビング・テクニックが何気にすごいっていう。
あんたはブライアンかー!みたいなスリップさせての横付けやら、カオスの中でのハンドル捌きの度胸良さとか。
後部座席の2人はシートベルト占めてないのに彼女は突撃前にしっかりとシートベルトも占めていたし。タイヤ交換プレッシャーの中で手早くやり遂げたし。
しっかりしているので、レティというよりはミアっていう感じで!
せっかく気持ちよく終わったのに、エンディングの後でもう1フッテージ。
まだまだ戦いは続くってことですか。
あの3人の中だとむしろジムが1番足手まといな感じだったので別に大丈夫なんじゃないでしょうかね。
あの人たちなら自分で飛行機に気がつくでしょう(←酷)
追記: 脚本がアレックス・ガーランドと知りまして、なんとなく「ああ...」と納得。この人の女性の描き方というか作品内での扱いがどうも苦手なんですよね。
私の好み度: ⭐️⭐️⭐️/5
🍅: 87%