思想を頭に入れると混乱して不幸になるから全部本燃やしちゃえーっていう世界のお話。
異なる思想があるせいで対立が起こるから、だから思想なんて消しちまえばいいーと毎夜毎夜本やら芸術品を燃やしまくる。
結論から言えば世界設定にツッコミどころがありすぎて、ラストなんかは「なんじゃそりゃ」の一歩手前でしかない感じなんですが、それでも"Point taken"と言えなくもなくもない部分もあって、正直に告白すればほのっとツッコミつつも最初から最後まで集中して見ていたような気がいたします。
焚書の様子がビルとかの建物にもライブで映し出されて、同時に視聴者からの顔文字やらコメントやらが踊る。視聴者に1番人気のファイアーマン、モンターグを演じているのがマイケル・B・ジョーダン。ちなみにここでいうファイアーマンは火消し隊員ではなく本やら絵画やらの燃やしっぷりがいい隊員のこと。
モンターグを手塩にかけて筋金入りのファイアーマンに育て上げたのが上司のベイティ隊長。
このベイティ隊長がちょいと謎で、実は本音では本を燃やすのってどうかしてるぜーって思っているっぽいところがあって、その良心の呵責からモンターグを育てることになったんだろうなぁとは思いつつも...その良心の呵責があるのかないのかがちょっとわからなくなってくるというか。モンターグにとってのベイティ隊長のことを父親同然ですごく慕っているので、裏切ることへの葛藤は結構あったと思うんだけれども。
モンターグが隊長に「自分が燃やすものの中身を知っておけ」って言われてなんとなく本(カフカだったかな?)を読んでみるんだけど、かろうじて読めたのがまず「俺は肝臓が悪い...」とかって文面で😅 「こりゃ確かにいらねーな」判断になるんじゃないかと心配いたしました。
うーん、「オムニス」作戦がいまいちだったのがこの残念感の原因なのかなぁ。
本の知識を未来に残すために1人一冊とか、数冊とか手分けして記憶するっていうのと、全部をデータ化してヒヨドリちゃんのDNAに隠すって。
これが、どういうことなんだろうかみたいな。
あの子一羽に運命託して、途中で猛禽類にやられちゃったりしないんだろうかとか。
燃やす本の映像が映る時、何度もフレデリック・ダグラスの本の表紙が燃やされるのが映るんですが、この間「Amend: The Fight For America」見たあと好奇心くすぐられてフレデリック・ダグラスの本があるのを見つけてマーケットプレイスのを頼んだら、とんでもなくきったない本が届いたんですね。
まぁ基本読めればいい派なので、中身が敗れてページがないとかでもない限り、別に届いた本が汚かろうが平気なんですが(ペーパーバックだとさらにあることですしねー)、このレベルで汚い本が届いたのは久しぶりで「おおー」っと封筒から出した直後絶句というか「きったねー」と引いてしまいまして。
でもなんかこの汚さというかこのボロボロ感でかえって、よくもまぁこんな満身創痍な状態で私の元にきてくれたなぁっていう気になって。
本って過去に生きていた人たちの声を伝えてくれる大切なツールなんだなぁって初めて実感したというか。今更なんですが、なんかすごいことだなぁと本への敬意が跳ね上がった次第です。
なので、焚書シーンはそれまで人々が積み重ねてきた時間を無碍にワイプされる感じがして。何度も出てくるんですがなんか嫌な気分がしました。
ラストのモンターグがなんとも言えない表情みせるんですが、それがまたすごく印象的で。
鳥さんが飛び去っていくあれは全然いただけなかったんですが、でも、まぁ....「なんじゃこりゃ」と切り捨ててしまうのも惜しい感じかなと。
人々が本の内容を記憶してというのは、デンゼル先生の「ザ・ウォーカー」を思い出しました!
あれもなんか初めで見た時はあんまり好きになれなかったんですが、回数を重ねるほど好きになっていく感じだったんですよね。
映画って回数見た分、「ああこういうことだったのね」って好きになってくことが多いというかその方が多かったりする気がするんですが、こういうのはなんなんでしょうかねぇ。
まぁ見返してもやっぱりダメだこりゃな映画もあるんですが、デンゼル先生の映画はもれなく見れば見るほど味が出てくる気がします。
これはもうファンの欲目ですかね。
なんか感想を書こうにも全然思い浮かばなくて。
別にスキップしたところで誰にもバレないじゃん!もういいじゃん時間がもったいないよーとか葛藤しつつも、どうにか書けました。
まだ「映画見たら絶対感想書く」ルールは死守できてますよ!😅(早く破って楽になりたいという思いもなくはなく...)
私の好み度: ⭐️⭐️/5
🍅: 33%