実はすごい映画だっ...た?
「シャークネード 3」がリリースされるタイミングで作られたドキュメンタリーで、「シャークネード」が作られるまでとその反響について関係者が語るという内容。
ちなみに「シャークネード」とは🦈+🌪のこと。
こんな感じで竜巻で海から吸い上げられたサメが雨霰と地上に降ってきて人々に襲いかかってくるという世にも恐ろしい現象なのであります。
低予算で小粒なB級...もといトンデモ映画を作る映画制作会社アサイラム社の作品はもっぱらSyFyチャンネルからの発注でつくられるらしいんですね。
例えば「でかいサメとでかいタコの映画が欲しいんだけど」という具合に発注がくる感じ。 で、あるとき、SyFyチャンネルの幹部とアサイラム社の幹部が一緒に夕食をとっておりまして、「最近はどんな映画を作ろうとしているんだい?」ってなことが話題になります。で「嵐で海から吸い上げられサメが街に降ってくる映画の企画が進行中だよ」と答えます。
SyFyチャンネル基準でいくと別に驚くほど奇抜というアイデアではなかったらしく、でもってSyFyチャンネルの幹部の一人が「シャークネード」というタイトルのアイデアを持っていて、二つのアイデアが組み合わさったとか。
しかしアサイラム社の制作スタッフの面々は「シャークネード」というタイトルを聞いてまず「あほちゃう」と引いたとか。 そもそも海洋生物って竜巻とかに吸い上げられたりするの???という疑問が湧いたそうな。
依頼された脚本家は「シャークネード」と最初に聞いて「シャークNATO」と聞こえて、シャークと北大西洋条約機構で何すんねん???とめんくらい、「そうじゃなくてシャークネードはサメだらけの竜巻のことだよー」と言われ、「あー、なるほどね。今までで聞いた中で1番馬鹿げたアイデアだわー」となり、まぁ、もしそんな脚本が書けたらやるよと引き受け、かきあげる。
脚本が仕上がったものの、脚本を読んだ人は何一つ腑に落ちず、みんなこれが本当に映画なのかそれともただの冗談なのか、まずその葛藤から始まることになったとか。
ついでに「シャークネード」のアイデアはSyFyチャンネルの幹部ではなく、元々アンソニー・C・フェランテから送られてきた企画書にあったそうだ、2回送って2回蹴られて、それでも諦めきれずに「レプリコーン 2」という映画の中のセリフに入れたとか。いつの間にか幹部の無意識に刷り込まれていたらしい。恐るべし。
そしてアンソニー・C・フェランテが監督することに決定する。
難航したのはキャスト探しで、みなタイトルを見ただけで断ってきたそうな。こんなタイトルの映画に出たら自らキャリアを終わらせるようなものだと。
キャスティングディレクターもそりゃそうだよなとタイトルを変えることを会社に願いでる。「なぜ」と問われ、「このタイトルだと誰一人表紙もめくってくれない」と訴えたところ「Dark Skies」というタイトルに変更となる。
すると、これで脇を固めるキャスティングは次々ときまったそうだ。(作品と関係ないようなタイトルがつけられる理由の一つがこういった切実なことだったとは....😅)
主役のフィンを演じたアイアン・ジーリングも脚本を読んだ時、これに出たらキャリアが完全に変わるなとためらったそうだ。
しかし、腕に娘を抱え、お腹の中にももうすぐ生まれてくる子供を抱えていた奥さんに「いいからなんでもやって稼いでこーい!」と蹴り出されることに。
撮影の途中、「Dark Skies」から「シャークネード」に変わると聞き、俳優たちは動揺することになる。
「Dark Skies」というタイトルだから契約したのにーっ!!!😱と撮影が止まる騒ぎに。
主演のアイアン・ジーリングも思わずバスルームに駆け込み、エージェントに電話して「ここから連れ出してくれー!!!」と助けを求めたとか。
まさか今後オーディションの履歴書に「シャークネード」なんて絶対書けないー!!😭と俳優生命を絶たれてしまうという危機感で動揺しまくりの出演者たちを説得したのはアンソニー監督。どう説得したのかは謎に包まれているけれども結局誰一人去ることはなかったそうな。
そして2013年7月14日夜8時からSyfyチャンネルで「シャークネード」が初めて放映される。日曜日なのでもう絶対に誰も見ないと誰もが諦めていたそうな。
ところがどっこい、放送が始まり程なくTwitterがとんでもない反応を示し出す。
#Sharknadeで一分間に約5000ツィート以上のペースで放送時間中タイムラインは凄まじい動きを見せていたそうな。
主演のアイアン・ジーリングのスマホは通知アラートだけでバッテリーが死んだとか。
翌朝のニュースは「シャークネード」の話題で持ちきり、社会現象が巻き起こっていたそうな。なんと同じ2013年6月に放送された「ゲーム・オブ・スローンズ」シーズン3エピソード9「Red Wedding」での反響よりもデカかったらしいですよ。
おまけ: 有名人が口々に「私もシャークネードでサメに食べられたいー」とツィートしていたので続編を作る際にウィリアム・シャトナーにオファーに行ったらあっさり断られたという笑い事。
ちなみに「シャークネード2」は真冬NYの撮影でみんな凍えて大変だったそうですよ。
全部で6作...メイキングまで見てしまったからには見るべきなのか...いやでも...