私は基本的に虫が大嫌いだ。
理屈抜きに怖い。
しかし、怖いと言ってられない瞬間が人生にはどうしたってある。
例えばGと戦う時。
例えばバラの蕾を食い荒らす奴らと戦わねばならぬ時。
殺し損ねて遺体が確認できない時の不安感たるやない。
そんな殺伐としたことを考えていると、ついつい映画の殺し屋や戦場の兵士ってこんな気持ちなのかしらと思ったりもする。
怖いので一応執行猶予期間は与えるのだ。
見てない間にどこかに行ってしまてくれるならば....。
しかし、2度目はない。
まだそこにいたらやる。
やるしかない。
とはいえ、本当にいやなのだ。
夏の終わりになると、時々終末を迎えたセミが転がり込んでくることがある。
ここを死場所に選ぶのはやめてくれよと思う。
ひっくり返っている場合、長い棒を使ってどうにかして表に返してみる。
これもめちゃくちゃ怖くて嫌なのだ。
苦しまずに殺してやるのが正解なのかもしれないが、それはそれで怖いのだ。
表にひっくり返して、家に逃げ込んで。
翌日になって、忽然と消えている時がある。
虫も生きたいんだなと思う。
思いながら殺虫剤を手に取り、息の根を止めにいく。
むしろ軽蔑される。
しかし、怖いものは怖いのだからしょうがない。
でももしも平気で触れるようになるくらい慣れれば殺さずに済むなぁ....。
つまんでポイと敷地外に出せばいいわけで。
これも慣れか。
慣れればできるのか。
僕はもっと強い人間になりたい。
芋虫だろうが蜘蛛だろうがGだろうが平気でひょいと掴める強い人間に。
そう考えるとやっぱり怖いから暴力的になるんだなとか思ったりする。
どうなんだろう。
昨日頑張って殺したのにまた蕾のそばにニョロりんといた。
鳥ちゃんが食ってくれればいいのによと思いながら。
それともいっそ成長を見守ればいいのか?
いやそれだとバラちゃんに申し訳なかろう。
3鉢1000円の格安ミニバラだけれども、こちらも頑張って生きてくれているんだ。
ああもおー😞
しっかり仕事してくれ虫コナーズ。
と言うわけでまた殺虫してきます。