ONE OF THE BEST!
もしも好きな映画は何かと聞かれることがあれば当分この映画を筆頭に上げると思います。
もう本当に...なんだろう。
エディ・マーフィがオーガスト・ウィルソンの「フェンス」をやりたいと思った理由もよくわかったし、オーガスト・ウィルソンがエディ・マーフィに託してみようと思った気持ちもすごくよくわかった気がした。
1999年ですよ。
1999年にエディ・マーフィがこの映画を作っていたというのがすごい。
この人は本当にアフロ・アメリカンの歩んできた道筋を自分にできる限り形にして残していこうと奮闘していたんだって。
Netflixの「13th」で語られていたことがどういうことなのか。
どれだけ多くのアフロ・アメリカンが辛酸を舐めてきたのか。
そして同時にギャングの一員となりドラッグ売買に手を染める若者たちに懸命にメッセージを送っている。
相変わらず人種差別や白人至上主義は続いていて負の連鎖も止まらずにいる。
それでもここまでの自由を享受できるようになるまでにどれほどのアフロ・アメリカンが犠牲になってきたのか。
そして苦闘しながら少しづつでも歩みを進めてきたのか。
どんな過酷な状況においても諦めずアフロ・アメリカンとしてのプライドを失わず彼らなりに静かに戦い続けてきた。
その世代の人たちの思いを忘れちゃいけないし、記憶や歴史から抹消させてもいけない。
この映画を見ながら”Life Sentence”という言葉の重みを痛感した。
変な話、これが終身刑を意味する言葉だとは知っていたけれども、改めて「だからLifeなのか。Life Sentenseっていうのはこういうことなんだ」とガツーンと腑に落ちた気がして。
エディ・マーフが演じるレイとマーティン・ローレンスが演じるクロード。
この2人は殺人事件の冤罪で終身刑を言い渡される。
犯人は保安官であることもわかっているのに2人の訴えは誰にも聞き届けてもらえず終身刑を言い渡され、上告も却下される。
こう書くととんでもなく救いの話なのだが、そして実際たまらなく救いのない話なのだけれども。その救いのない中で“笑う”という最後の抵抗というような。
まさかこのままってことはないよね...?と思ったら本当にそのままただ時だけが無情にすぎていく。そのもどかしさ、悔しさ、やるせなさたるや。
2人とも冤罪なだけに本当にたまらない。絶対に取り返しのつかないものをひたすら奪われていく。最後の希望もいとも簡単に不意になって。
撮影現場では笑い転げまくっていた模様。マーティン・ローレンスのこともなんだか大好きになってしまった。
あと関係ないけれど『ルディ・レイ・ムーア』の時のインタビュー。エディ・マーフィが自然体で素敵だったのでついでにペタリ。
なんかエディ・マーフィのことめちゃくちゃ好きになってるー!
私の好み度: ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️/5
🍅: 50%