また痛々しいことになっているのかとやや不安になりながらの視聴でしたが、普通に面白かったです。
未来の月が舞台。
人気クラブを経営していたら、カジノにしたいデベロッパーに目をつけられ、命を狙われるっていう、まぁ、舞台は未来で宇宙ですが、人間のやることは毎度お馴染みです。
ポンコツ警備ロボットのブルーノとナッシュのコンビぶりが微笑ましい感じで。
お約束毎ネタ満載でしたが、大好物なのでそこはあはあは笑ってましたとも。
大詰めもちょっとドキドキさせられる展開でしたし。
物語の着地の仕方も気持ちよく。
今回も快適なフライトをありがとうございましたという感じで。
エディ・マーフィはカッコいいし、華やかですごく魅力があるし、どの映画でも彼自身はとても安定したパフォーマンスを保っているのでよくも悪くも安心感が。
目新しいことはなくても再放送をしていればついついながら見して、気がつけば作業の手を止めて見入ってしまっているみたいな。
で、「あー、結局最後まで見ちゃったじゃん!」って言いたくなるような。
スタンダップコメディアンが映画に進出する道を作った先駆者の1人で、しかも今も第一線で活躍しているのだから、それってやっぱり生半可なことでできることじゃない。
「Pluto Nash」はエディ・マーフィにとってどうやら何かの「教訓」もしくは自分のキャリアの中でも笑える「冗談」の一つ的に当人はとらえている風と思えるインタビューを読みまして。
そういえば最初から何本映画を作るって契約したとしたら、もう出なきゃいけないってパターンがあったなぁと、ここにきてようやく思い出しました。
ちょっと調べたら、すぐにパラマウントと5本、その後さらに4本計画したという記事が引っ掛けられまして。1984年と1991年のことだったみたいですが(NY TimesとかLA Timesは購読しないと全文読めないのが悔しい。いつもいい手がかりっぽい記事を引っ掛けられるのに悔しい😓)。
エディ・マーフィ曰くサタデー・ナイト・ライブを経験した後だと、映画づくりは超スロー。撮影も全てがスローモーションに見えるぐらいにスローと感じられてしまうそうです。自分でも忌々しくなるほどの記憶力だそうで、シナリオは一度読んだら全て頭に入ってしまい、現場に入ってちょっと話を聞けばすぐに思い出せるとか。
他にも「こういうシーンにしたいんだ」っていう例えば車がトンネルを抜けるような短い動画を見せられて、それの出元を現場の人間が誰も知らなくても、作品名とその作品の中のどのパートか答えられてしまうとか。
「48時間」から「ビバリーヒルズ・コップ」で大ブレイクするのは本当にあっという間に起こったことで、当時「サタデーナイト・ライブ」のツアーもやっている最中で...と話しているので、映画の宣伝活動やら宣伝のことも思うと尋常でないスケジュールだったんだろうなぁと。
子供の時にリチャード・プライヤーをテレビで見てからずっとコメディアンになりたいと思っていたそう。
「That Nigger’s Crazy.」というリチャード・プライヤーのライブのアルバムを繰り返し繰り返しきいたことがエディ・マーフィのコメディアンとしての第一歩で、演技なども特に誰かに習ったことはないそう。
「当時は黒人の誰か1人が壁に穴を開けようとヒビを入れていく感じで、それに続いてまた誰か1人の黒人が穴を広げに行って、その流れに乗ってまた次の誰かが...って感じで。俺はリチャード・プライマーの後に続いて次は俺の番だって感じで。リチャード・プライマーはシドニー・ポワチエの後に続いたし....」というようなことを話していたのでちょいと検索。
シドニー・ポワチエとリチャード・プライマー。
シドニー・ポワチエとエディ・マーフィ。
先人が作ってくれた道に自分も続き、次の世代のためにできるだけ道を伸ばす。
いけるところまでいく。
なんというか、活躍する分野や戦う方法はそれぞれ違っても、この気持ちでアフロ・アメリカンの人たちは皆強く繋がっているんだなぁとかって思ったりもしたり。
追記: 最近ネトフリで「Comedians In Cars Getting Coffee」のエディ・マーフィがゲスト回を見まして、とても誠実で真面目な印象。あの時代のハリウッドで凄まじい人気を誇りながらも身を持ち崩すことがなかったというか、ドラッグやお酒に溺れることもなく”自分”を保てたというのがすごいなと。スタンダップコメディをいっとき中断していたことが悔やまれると自分で言っていました。またやりたいのだけれど元の勘が戻るまでは...と。
なんだか今後の活躍を俄然応援したくなってきました!!!
↓17歳の時、ウケなくてギャラがもえらなかった話
このジェリー・サインフェルドというコメディアンさんへのエディ・マーフィの心の開き具合がすごいって思ってたら、こんなの見つけちゃいました。
(エディ・マーフィのような人気の爆発の仕方をしたコメディアンは後にも先にも初めてのこととジェリー・サインフェルド。当時同業者がエディに慄いた反応をしても無理はないこととも。観客の前でライブスタンダップをすることがエディにとって自分の原点で一番好きなこと。ライブでお客さんたちの生の笑い声を聞けることに勝るものはないとも。もしお笑いやエンタメ以外だったら何をしているかという問いに、エディ・マーフィは”わからない。多分流れ者かなぁ。チャーミングな流れ者”と。今後ショービズでやりたいことは?という問いにエディはもっと笑いを取れるようになりたいし、面白くいたい。あとはできるだけ普通でいたいと)
あと、ジェイミー・フォックスのエピソードもありまして、この人ってスタンダップ・コメディもやってたんだという驚き!
「ワイルド・チェイス」でのギャグのキマらなさぶりはてっきりコメディ畑のない人だからかなと解釈しておりましたが、監督かな?監督かな?やっぱりあの重厚トーンが....😅
私の好み度: ⭐️⭐️⭐️⭐️/5
🍅: 41%