「ワイルド・ライフ」で象さんたちの素晴らしさを堪能した余韻にボーッと浸っておりましたら、 プレミアシネマのお馴染みの曲が流れ出しまして。
そのまま映画を観るつもりは全然なかったのだけれど、何放送するのかなぁとタイトルだけ見ていこうと思って、そしたら「127時間」と表示されて。
127時間ってえらく中途半端な時間というか....そもそも何日???と数字に弱い私は24+24+....と頭の中で足し算していたら監督ダニー・ボイルとあったので、こりゃ見といた方が良さそうな映画かと、そのまま視聴となりました。
結論、めちゃくちゃよかったです!
最初は「グレイトレース」(←正式名称知らない)の類をフューチャーした映画なのかなぁと思いもしたんですが、でもダニー・ボイルだしなぁ。
主人公のアーロンが週末にホースシュー・キャニオンに行くんですが、「ん? ホースシュー・キャニオンって”ナンシー・ドリュー”の舞台となっている”ホースシュー・ベイ”と同じ地域???とどうでもいい驚きを。そうか”ナンシー・ドリュー”のあの街って実在の地名なのかとか軽く驚きつつ。
「いやー、なんか楽しそうだなぁ!」と自分には縁が無い世界なのでもっぱら絶景を堪能する感覚で眺めておりましたら、一転してとんでも地獄。
ええええええええええ😱
これって、どっち...? どっちパターンなの????とオロオロしながらもどっちもこっちもどう考えてもあれパターンじゃないのか????😰
みたいな感じで...。 このままこの状態を見続けることになるのか????という不安感と、でもどうなるのか見届けないわけにはいかないという.....なんかすごい縛りをかけられた感じで。
ここからはネタバレとなりまするが、(未見の方は絶対にオチを知らずにみた方がいいと思うので退避してくださいね)
意味なくホースシュー・キャニオン動画
もういっちょ意味なくホースシュー・キャニオン動画
そろそろ、映画の話に戻っていいでしょうか。
いや、なんというかもう白骨化にて発見か、ビデオテープを見ている遺族オチ確定だろこれ....みたいな感じで見ているのが終始相当辛かったんですが。
「ぼくが生まれた時からこの岩はずっと待っていてボクの人生はずっとここに向かっていた」 っていうセリフがなんかもうたまらなくて。
なんというか相当やるせない気持ちになっていたんですが、そこから一転しての底力ぶりが。
あの瞬間まで完全自己否定モードになっていたのが、ここまでの人生で積み重ねてきた彼のステップがこの状況を生き延びる知識と強さを与えたんだって思うと、すごく胸が熱くなってしまって、もうどうかどうか生き延びて欲しいってもう本気で祈るような気持ちで見ておりました。
それにしてもこの映画スマホを手に取り検索したいという誘惑と戦うのが大変で。
「え?これ実話なの???実話なのかな???この人どうなったの???こうして映画になっているなら助かった?いやでもビデオのあれで遺族が....???いやそんなでも....」という気持ちとも闘って打ち勝ちましたが、これはまぁあれですねお家視聴ならではのデメリットでしょう。
これを劇場の大画面で見ていたらもう完全に飲み込まれていただろうなと思います。
圧倒的すぎる自然の大きさと無力感と絶望感。 喉の渇き、日差しの暑さなどなどもう感じまくりでクタクタになっていたんじゃないかと。
あれほどの無力感、絶望感や厭世観から、一挙に力強く人生や人と人の繋がりの奇跡感や貴重感、愛おしさみたいなものを描き出した手腕がものすごいなと。
アーロン演じていた俳優さん思わず、本人か同じくアスリートの人かと思いきや、「アナポリス」のあんたかよー!!!!と今、wikiみてびっくり。
いい条件がうまく組み合わさった時の映画の最強ぶりにはいつも驚かされます。
私の好み度: ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️/5
🍅: 93%