先にこっちから見るべきでしたー。
オープニングクレジットでデトロイトの街の様子がガッツリ映し出される。
当時のリアルデトロイトだと思うのだけれども、「ビバリーヒルズ・コップ」と銘打った映画でいきなりこの画でオープニングというのは結構なインパクトである気がする。
予想に反してただのアクションコメディではない気配がこのオープニング・クレジットからムンムン漂ってきて、この流れでアクセルがビバリーヒルズに出向くってことは結構物申す系の映画ってことなの???とちょっと居住まいをただしてしまった。いやだって完全に「難しく考えないで気楽に楽しく見られる映画」をみるつもりでしたから。
そこの結論だけを先に言えば、もちろんこの映画は”物申す系”ではなく「難しく考えないで気楽に楽しく見られる映画」だったのだけれども。
冒頭のデトロイトの街並みのリアルのおかげで人種差別レスなビバリーヒルズに違和感を感じまくるハメになってしまった気がする。
でもアクセルが時折人種差別あるある的ネタをズバリとくりだしてくるので、大人の事情で結果的に削られたのかな?と思ったら、元々はこのアクセル・フォーリー役にはシルベスター・スタローンがキャスティングされていたとか。
で、プロダクションが始まる数週間前に役を断ってきたので「人種差別」ネタはそもそも入っていなかったということだ。
セリフで「人種差別」ネタでちらほら突き刺してきていたのはエディ・マーフィのアドリブのたまものだったとか。
内容は、
久しぶりに再開した幼馴染を自分の家の前で殺されてしまい、独自に事件を調べるため手がかりのあるビバリーヒルズへ赴くアクセル。ビバリーヒルズでも"from the hood"の調子でふるまうアクセルに当初追い出すことしか考えていなかったビバリーヒルズの刑事たちだったが、次第にアクセルの人柄と刑事としての有能さを知るにつれて信頼するようになるという感じのお話。
「星の王子ニューヨークへ行く」が当時子供だったアフロ・アメリカンの人たちにとってとてもワクワクした映画だったというのはインタビューで何度も耳にしてきたことだけれど、この「ビバリーヒルズ・コップ」はどうだったんだろう。
「アンタッチャブル」でオマール・シー演じていたウスマン刑事がアクセル・フォーリーのことを最高のヒーローとして何度も映画を見返していたところを思えば、相当のインパクトがあったと思っていいのではないかと思うのだけれども。
映画が公開されたのが1984年。
1984年といえば、デンゼル・ワシントン出演の「A Soldier's Story」が公開された頃。
1990年代に入ってさえ黒人俳優が主演としてキャスティングされることがめちゃくちゃ困難だったというエピソードに事欠かないことを考えればこのエディ・マーフィって人はなんだかとんでもないことを成し遂げているような...。
Hip-Hopブームとかと関係あるのだろうかとふと思ったのだけれども、1984年はRun-D.M.Cがアルバムをリリースした年だからまだそんなに広く認められてないというかアメリカの一般の白人社会に浸透していない文化のはず。
あ、でもBeastie Boysがいるか。
彼らが1978年からの活動で......あ、Def Jamが1984年創立か(←wiki読みながら書いてる)。確かLL cool JがDef Jamからデビューした一番最初のアーティストって言ってた覚えがあるから、まだ全然普及してないことのはずだよな。
LL cool Jが最初の頃のツアーではラップとはどういうものかの説明から始めたとかって話していたから...ということは...Hip-Hopブームの追い風を受けてというわけでもなんでもないのか。
まぁこのあたりはおいおい調べていくことにしよう。
ちょっと心に留めておけばまた何か情報を引っ掛けられるかもしれないということで。
あ、そうそう。
ここでもウェイアンズ・ファミリーを発見!
ホテルでアクセルにバナナをあげていたのがデイモン・ウェイアンズ (Damon Wayans)!
10人兄弟なんですねぇ。
その内6人がエンタメ業界入り。
ウェイアンズ一族を見つけるとなんだかめちゃくちゃ嬉しくなる体質になってきましたよ!
あと、アクセルの幼なじみを殺したザックなんですが映るたびになんかどこかで見たことあるよこの人ーって思っていたらなんとなんと「Breaking Bad」や「Better Call Saul」でお馴染みのマイクさんが出てましたよー!!
マイクさん↓
アクセルの部屋の前でアクセルの幼馴染を殺したザック↓
若すぎて全然わかんない!!!でも目がなんとなくそうかなぁって。
あとメイトランドを演じていた人が「ドクター・フー」のシーズン2でクリリテーンのフィンチを演じていた人っぽいと思ったんですが、それは全然違っていて(おい)。
クリリテーンのフィンチ↓
メイトランド↓
でもこのメイトランドの人もやっぱり「ドクター・フー」に出ていたんです!
シーズン7の「The Power of Three」というチブナル脚本エピソードに出てました!(だからなんだという......でも「ドクター・フー」関係者を見つけると何故だか嬉しくなっちゃうんだもん)。
アクセル・フォーリーよかったです!
エディ・マーフィ好きになりました!!(←とってつけて言ってるようですがそういうわけではないですよー!アクセル・フォーリ、すごくかっこ可愛いかったです!)
追記: あの場面にデイモン・ウェイアンズを推したのもエディ・マーフィだったそうです。
マーロン・ウェイアンズが9歳の時に既に売れっ子だったエディ・マーフィがお兄ちゃんの友達だからということで公共団地の家に訪ねてきてくれたとか。すごく感激したらしいです。
私の好み度: ⭐️⭐️⭐️⭐️/5
🍅: 83%