So Be It

見た映画の感想。時にネタバレを含んでいますのでご注意ください。

キングダム/見えざる敵 (The Kingdom)

もつれ続ける糸。

キングダム (字幕版)

キングダム (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

 負の連鎖は続くよどこまでも。

 

 

まず冒頭にオープニング・クレジットとして流れるサウジアラビアとアメリカの関係史に「ええー知らなかった!そうなんや!!」と目が釘付けになる。

 ネトフリのドキュメンタリーでもう少し詳しいバージョンをやってくれたりすればいいのにー、と思っていると物語に突入。

 

  サウジアラビアの首都リヤドにある外国人居住区で白昼爆弾テロが起こり、消防隊、救急隊、捜査機関が集まったところ、さらに大規模な爆発が起こる。

 死傷者の中にFBI捜査官ロナルド・フルーリーの同僚FBI捜査官フランも含まれていた。

  一番最初の爆弾があった直後、現場に駆けつけていたフランからロナルドは早くこっちにきて捜査を手伝って欲しいという電話を受けていた。

  ロナルドを含め4人の捜査官が現地に飛ぶが、制約が厳しく全くほとんど捜査らしい捜査をすることができない。それでも可能な範囲でできるだけの捜査を試みるロナルド。

 その内にロナルド達の通訳担当となったハイサム軍曹とロナルドの間に僅かづつではあるが信頼関係が生まれ、ロナルドは本格的に捜査ができるよう上層部を説得することに成功する。

 

うまく言えないのだけれど、胸にストーンとくる映画で、バランス感覚がとれていたという印象を受けた。

 

 銃撃戦や爆弾、爆破と戦闘シーンももちろんあるのだけれども、メインは地道に捜査するシーン。CSI的な捜査から聞き込み、現場検証などなど、最初は反発しあっていたのが本格的に協力し合うようになる。

 大勢の人たちの日常生活に不意に大鉈をふるって襲いかかり見境なしに断ち切るような残酷な犯罪を犯したものを逮捕したいという現場レベルでの気持ちの一致。

 よくあるパターンといえばよくあるパターンな気もするけれど、地道に真剣に捜査することで相手が本気と誠意を感じ取り、それと同じだけの本気と誠意で応えてくれるというのがいいなぁと。

 こう書いてみればお約束かもしれないのだけれども、この映画の中だと、その”本気と相手への誠意、それに応える気持ち”の貴重感が際立つ感じがあって。

 人と人として向かいあってみれば、良い面も悪い面も自分たちとどこかしら通ずるものがあって、その接点を手がかりに距離を縮めていくロナルドとハイサム軍曹がすごく良かったのが大きかったと思う。

 だからこそサウジアラビアに来る前に会議でロナルドが同僚を慰めるために囁いた言葉というのがラストで刺さりすぎるというか。

 これを言ったとき、ロナルドは相手側を人間としては考えていなかっただろうなというのは、ラストで見せた表情から察せられる。

 銃弾や爆弾が飛びかう現場レベルではもうどうしようもないことが歴然とあるというのがあって、現場レベルではこの負の連鎖を止めることは不可能なのだということ。

 そして、続く限りロナルドやハイサムのような立場の人たち、居合わせた個々の人たちに起こった悲劇はこれからもどんどんと起こるわけで。 そういったことが、嫌味なく素直にストンと胸に落ちてくる映画だったと思う。

 

 劇中で、「1993年の世界貿易センタービル爆破を思い出す」というロナルドのセリフがあって、デンゼル先生の「マーシャル・ロウ ( The Siege )」を思い出して、なんというか根っこの問題はこの時描かれていたものと同じなんじゃなかろうかという気がしたのだけれども。

 

 

私の好み度: ⭐️⭐️⭐️⭐️/5

🍅: 51%

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