So Be It

見た映画の感想。時にネタバレを含んでいますのでご注意ください。

ストンプ・ザ・ヤード (Stomp The Yard)

踊ってスポコン!

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 LAのストリート・ダンスバトルで勝利したDJと兄のデュロンはその帰り道、ライバル相手に襲われ、デュロンは命を落とす。DJは逮捕され自己防衛の主張は認められず有罪判決が降りる。

 DJの将来を心配したDJの母親はアトランタの大学にDJを編入させることに。叔母夫婦の家にすむことになったDJは大学に通いながら放課後は叔父の造園業を手伝うという毎日を送ることに。最初は大学に行くのも気乗りのしなかった DJだが編入手続きの際に出会った女子生徒エイプリルに一目惚れし、どうにか彼女に近づこうとする。

 しかし、エイプリルには大学の友愛会の一つガンマのダンスチームの花形であるグラントという彼氏がいてDJが接近してくることに戸惑う。

 常にガンマのダンスチームに敗北しているテータはDJのダンスの才能を見込んで自分たちのチームに勧誘するがDJは「俺はSteppingはやらねー。バトルがやりたいんだ」と断る。

 

 事件の発端となるストリート・ダンスバトルのギャング感全開ぶりに、これはもしや「最近の若い奴らは本当の”Hip-Hop”を知らねぇ」とOGの人たちを嘆かせる原因となっている系統のやつかしら?とちょっと構えてしまいまして。

 そして主人公のDJがアトランタの大学に初めて登校した時に二つのチームがお互いに" Stomp"を披露するシーンがあって、そのそれぞれのチームについての説明があった時に「ん?これって“Burning Sand”で見たやつか???」と。

miyelo.hatenablog.jp

 そのグループに入ると社会に出てからもそのチームだった先輩たちからのサポートが得られ将来は安泰っていうアレに入る話なのか???

 あの映画で結構どん引いたため、ちょっとますます構え気味に。

 

 こういうので”引き気味”になるっていうのはいかがなもんだと自分に対してやや苦い気持ちになりつつ、テータ・グループの歴史館にDJが足を運ぶ場面があってキング牧師やローザ・パークスの写真が飾られてあって、「え?2人は同じチームというか大学の???いや、あーでもジョージア州だから...」と自分の知識のザルぶりが超絶露呈してしまう有様😅

ストンプ・ザ・ヤード (字幕版)

ストンプ・ザ・ヤード (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

  DJは身勝手さからチームからはみ出してしまうも自分で過ちを認め再び仲間に。

 そこから一丸となって努力してダンス大会に望む。

 それと並行して描かれるのがDJとエイプリルの恋の行方。

 DJが一目惚れしたエイプリルちゃんのお父さんは弁護士かつ大学の理事長(....学部長だったかな???忘れちゃいました)。グラントのこともこのお父さんが家柄も釣り合うし将来有望ということでエイプリルちゃんに勧めた相手。

 「俺と付き合えて幸せだろー」な自分のことしか大事ではないグラントよりも自分に対して細やかな気遣いをしてくれるDJに心引かれるようになるエイプリル。

 それが腹立たしいグラントはDJに前科があることを知ってそれを大学に密告。DJは退学に追い込まれる。エイプリルと別れれば退学取り消してやってもいいよーんとDJを脅してくるエイプリルのお父さん。でもDJは「それは俺じゃなくて彼女が決めることです」と自分から身を引く気はないことを宣言。

 そのことを知ったエイプリルは「パパンのバカあ!!!パパンなんかもう最低!!!大っ嫌いっっっ」と怒るとエイプリルのお父さんは娘に嫌われたくないとDJが退学しなくていいように手を回すのでありました。

 晴れてダンス大会に出場可能となったDJ。

 みんなで一丸となって戦い、最後は亡き兄の技できめ優勝、やあ、おめでとう。

 

 そうか。

 これってスポコンものだったのか。難しく考えるこたぁなかった。

 

 そんなことよりも!

 

 映画を見ながら俺がどんどん気になったのはこのStompというダンスとHip-Hopのストリートダンスの関係性だ。

 この違いは地域性のものなのか、それとももっと歴史がある感じなのか。

 なんとなく”ハカ”っぽい趣があるんだとなぁというのも気になっていて。

 見終わって即座に検索の旅に出たともさ。

 

 で、この”Stomp”というか”Stepping”と言われる動き。

 

 1739年、当時イギリス領だったノースカロライナで起こった奴隷の人たちの一斉蜂起で、綿花プランテーションを管理する白人たちが日曜日に教会に行っている間に、奴隷にされていた20人のアフリカ人が近所の店を襲って武器を奪い、そして自由を求めてストノ川沿いにスペイン領であるフロリダを目指したそうで、その時に地面を踏み鳴らしたことで道中白人の植民者や奴隷たちがその行進に加わったということ。

 それが"Stepping"の起源で、1900年の初頭に黒人の大学生たちのグループ、「ブラック・グリーク」が”Stepping"をお祝いの時などに歌う時に取り入れたりするようになってだんだんと発展してきたとか。

  店を襲った時に2人の店員が殺されている。

 20人からはじまった行進は最終的に約60人の死者を出して終わり生き残りは奴隷としてウエスト・インディーズ、カリブ海の島に売られていったようだ。

 ストノの反乱には白人入植者も加わっていたらしく殺された60人のうち25人は白人で35〜50人のアフリカ人が殺されたそうだ。

 リーダーはアフリカの方だったらしいが、ここでは同じ境遇の白人と黒人が協力して奴隷という境遇から抜け出そうと一緒に行動したんだなぁと。

 誘拐されて奴隷として売られるパターンと年季奉公と言いながら境遇的に奴隷のパターンとがあって、ちょっとうろ覚えだけれども、この人たちが結束するのを奴隷使用者は一番警戒していたとか。

 イギリスとスペインの敵対関係からイギリスを弱らせたいスペイン側がこっちにこれば自由になれるよーみたいな感じで扇動をしたとか。

 

 "Stepping"と”Breaking"を融合させたダンスというのはこの時点で新しいことなのかそれとも既にあることなのか、そこまで調べきれなかったのでわからないけれど、”先人の気持ちは俺たちも受け継いでいるぜ”という気持ちはこもっていたんだろうなぁっていうのは、ちょっと感じたかも。

 心を入れ替えたDJがチームメイトと筋トレやらマラソンやら頑張ってますフッテージで丘の上で夕焼けにシルエットとしてみんなの姿が浮かび上がるところがちょっとアフリカを想起させる感じだったので。

 そのショットの美しさは一際際立っていたので何だかはっと印象に残りました。

 

 ええっと、でまぁ、こんな感じです。

 見始めた瞬間からこりゃ感想書くのに四苦八苦するぜーって戦々恐々しておりましたが案の定でした。

 そうそう!

 ドラマ「ブラックリスト」のハロルド・クーパー役でお馴染みのハリー・レニックスがDJの叔父さんを演じていました!

 厳しいけれど人間として尊敬できる感ムンムンで、DJの叔父さんとエイプリルのお父さんが昔彼女を取り合ってDJの叔父さんが勝ったという過去ストーリーも説得力ありな感じで。

 クーパーさんのイメージが強いせいもあるかもですが、この人が出ると裏切られない安心感をついつい持ってしまいます。はい。

 

 

 ブレイクダンスが2024年のパリオリンピックの正式種目になるということで、またそういった映画やドキュメンタリーが増えるかもですよね。

 そういえば”Breaking"が初めて映像として広くお目見えしたのが「フラッシュダンス」だそうです。

 ”Breaking"の先駆者メンバー「Rock Steady Crew」のメンバーが登場します。

これを見ていたら、「ん?もしかしてMJのムーン・ウォークもこの人たちが編み出した技だったのかな???」ってなったりするんですが。

 「フラッシュダンス」で地面に背中をつけてくるくる回るブレイクダンスを披露しているクレイジー・レッグがマイケル・ジャクソンの「BAD」のMVにも登場しています。

 電車の中で徐々に人が減っていくシーンでマイケル・ジャクソンが降りる駅に着いた時に荷物を下ろすのがクレイジー・レッグ。(これってマーティン・スコセッシ監督なんですね。でもって、ウェズリー・スナイプスも出ていたという←この記事を書いた時点では全然わかっていなかった😅「ブレイド」見たおかげでウェズリー・スナイプス認識しました)

 で、このクレイジー・レッグという人はLAでデモ行進の時に警官相手に"Breaking"を仕掛けた人でもあるっていうHip-Hopのパイオニアの1人。

この人の活動歴がとんでもなくすごくて軽くなぞるだけでも顎ガクーンとなってしまう感じです。(←というかなった)

 このあたりのことはまだかじり始めたところなので、おいおい学んでいきたいかと。

 

私の好み度: ⭐️⭐️/5

🍅:25%

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