シドニー・ポワチエの可愛さが炸裂しすぎてもう大変。
本当は電気工学の知識が活かせる技術職につきたいのになかなか就職先が見つからずにいる中、当面の生活費を稼ぐために教師の募集に応募し、採用される。
担当は問題児だらけのクラスでこれまでの担任はすぐに逃げだしていた。
ロンドンのイーストエンドが舞台。
校則なしの学校で子供たちは自由気ままにふるまっている。最高学年のクラスを受け持つことになったマーク・サッカレー。
親の仕事の手伝いをしながら学校に通い、放課後もまた親の仕事の手伝いをしているのが生徒たちのディフォルト。
白人の子供たちが多いけれども内情はこれまで映画などでみてきた50-60年代のアメリカで黒人の人たちや移民の人たちが置かれていた境遇に似通っている感じだ。そしてイギリスでもやはり黒人の人たちの方が差別からくる苦労も命の危険も多いのも。
子供たちはサッカレーが自分たちと変わらない貧困の中で育ちながら言葉遣いが綺麗で身なりも清潔できちんとして気品のある立ち振る舞いであることに驚く。
サッカレーは自ら実践することで教室の中で彼らがお互いに礼儀正しく接することを教え、大人としての行動や考え方をディスカッションすることで生徒たちの信頼を得ていく。
同僚の教師はそうしたサッカレーの姿勢を無駄なことと最初は馬鹿にするが、やがて態度をあらためていく。
「社会は平等ではなく不公平で大人であれば妥協もしなくてはならないが、もしも心の底から正しいことと自分が信じるならそのために戦え」とサッカレーは子供達に教える。
なんというか、黒人であるが故に抑圧・迫害、理不尽のなかで生きのびることがどういうものであるかを知り尽くしていているというか。
そしてサッカレーはそれに負けずにここまできているのだから、もうそこにいるだけで有無を言わせない説得力があるし、その気品の前には自分がだらしなくいることに対して恥入ってしまう。
教師という仕事はサッカレーにとっては腰掛けの仕事に過ぎないし、そのことを隠してもいない。
正直に誠実に誰に対してもきちんと礼儀正しく振る舞っているというそれだけのことが、とにもかくにも美しく感じられるのは、やっぱりシドニー・ポワチエのチャーム力なんだろうか。
生徒たちの卒業パーディに招待され、踊ることになるサッカレー。
もうこの踊るサッカレーの可愛さたるや天井知らずですよ。
可愛さにやられ殺される心地がするほどとんでもなく可愛いんです。
何この人の無尽蔵すぎる魅力。
恐るべしです。
さすが人種を超えて心を鷲掴んだだけある俳優さんだと。(←完全に沼った模様)
私の好み度: ⭐️⭐️⭐️⭐️/5
🍅:ー