ブノワ・ブランの魅力次第。
私の場合、極めて物覚えが悪いので、推理ものの謎解き段階で「おおおーっ!」ってなることが極めって少ない。
大抵が「そんなことあったっけ?」とか「そー言えばなんとなく覚えてるけど誰だったか思い出せん」とか「んー、この人って誰だっけ???」というトーンになってしまうので、作品を楽しめるかどうかは謎解き担当のキャラ次第ということになる。
謎解き担当のキャラが私好みであれば”謎解き”の不具合など全く気にならないぐらい、全ては謎解き担当キャラ次第ということになる。
で、今回ラキ兄目当てでみたわけなんですが、ラキ兄が演じていたのがエリオット警部補。
相変わらずしっかりと物語世界に自然に溶け込んでおります。
控えめなんだけれども、しっかり有能な感じに素敵で画面に出てくるたびにニコニコしながらみておりましたとも。
それから、ハーランおじいちゃんの看護師のマルタがとっても可愛かったので、もう大好きに。
なのでラキ兄かマルタさん、この2人が画面に映っていれば基本的には楽しい鑑賞となりました。
お話全体がポリコレ的メタファーになっていて、謎解きサイドでない人たち以外はアホボンあるあるとか偽善あるあるとかリベラルあるあるな面が強調されたキャラ作りになっていて、まぁとってもわかりやすい皮肉みたいな...(あ、こういうのを風刺って言えばいいのか)。
マルタに気持ちを寄せてみていたので基本的に楽しく見られたんですが、なんというか、謎の紳士的探偵ブノワ・ブランがねぇ....あまりにも微妙っていうか、この人のキャラが好きも嫌いもない感じで。
下手すりゃいらないんじゃない?っていうぐらい誰ともケミストリー感じられなくて。
なんかだったらエリオット警部補とマルタでよかったんじゃないのかとか思って。
だってこれだけメタっているんだからむしろエリオット警部補をスルーする方が違和感ある気がするというかなんというか、いや別にラキ兄がいい感じのキャラ作りしていたのでもっとみたかったなというそれだけなんですけどね。
ダニエル・クレイグは別に嫌いじゃないんですよ。
ただこのブノワ・ブランにはあっていなかったなぁって。
なんかもっと遊べそうなキャラなのになぁって。
”挑戦”するのは別に悪いことではないので、この経験をバネにまた違った演技を見せてくれるようになるかもしれないんですが、とりあえず、今回は引っかかってきませんでした。ごめんなさい。
あとまぁ極めてどうでもいいことなんですが、燃えた警察署をブノワ・ブランとエリオット警部補が見にいくシーンでちょっとだけラキ兄の背の高さが際立つショットがあって、それ以外は基本的に身長差が目立たないショットになるんですが「あ、こんなに身長差あるんだ」って思ってから、その差を隠すようなツーショットばっかりっていうのがなんだかかえって気になるというか。別にいいんですけどね。なんか別にそこまで隠す必要ないのにーとかって思って。
かえってダニエル・クレイグが気の毒になってきたというか。(まぁ私が気になっただけで特に隠す意図はなかったのかもしれませんが)
ちなみにラキ兄にとってこの映画は初めて経験する自分以外は全員白人という現場だったとか。
それって、キャストだけではなくスタッフも含めてってことなのかしら???
まさかね。
「色々観察できて面白かった」って言ってましたけれど。
でもやっぱりそういう時、「あ、黒人はおれだけなのか...」とかって思うんだなぁって。
私の好み度: ⭐️⭐️⭐️/5
🍅: 97%