いろんなことが腑に落ちる。
高層マンションと高速道路がバカすか作られた理由やら背景やらがまずわかって、見ながら”うーわー”と”なるほどねぇ”を連発していたような気がする。
はい。
正直に告白すると見た直後は山ほど書きたいことがあった気がするんですが、すでにほどんどが忘却の彼方に。
で、唯一記憶にまだ残っていることが、 ロバート・モースが進める古い街を丸ごと潰して高層マンション建てて道路整備もして住民が憩える公園なんかも作ってスッキリした街並みにいたしましょう計画に反対するジェイコブズたちにロバート・モース側が行った言葉で、
「すでにこの計画には巨額のお金が投じられている。たかだか2000人の住民が不満を訴えているからといってやめる訳にはいかない」
って感じのこと。
これ聞いて思い出したのが、男の人が女の人と別れる際に「あいつには高いものをいっぱい買ってやったのに」とかっていうやつ。時間と資金を投資した分確実な見返りを求める感じの。そこに相手の気持ちやら自分の非とかは含まれない感じな。
恋愛関係のことはともかく、住み慣れた場所から追い出されようとしている住民側からすれば「そんなのあんたらが勝手にやったことでこっちの知ったことじゃない」ってなるよなぁって。
建築に関して住民が納得するまで説明してから進めますとかっていう時も、「すでに決定事項だから何を言われても変えられない」ことが前提になって”説明”されるんだったら納得もへったくれもないというか、その前段階で話をしにこいよーとかって思うのだけれども。
元あった街並みを潰してスッキリ綺麗な建物にしてみたところでなかなか思い描いたような理想的なコミュニティとして育たず、どんどんスラム街化した例がこの映画あげられていって、なんだか”勘弁しとよー”という気分に。
中国があれだけ広い土地を有しながら高層ビルを建てていっているのを「未来のスラム街を作っていることにならなければいいが」という懸念も語られていた。
どうなのかな。
全部が全部裏目に出るわけでもないとは思うけれども、うまく根付かずむしろ荒廃してしまったというパターンもいっぱいあったわけで。
そうなった場合、元々その土地に愛着を持って住んでいた人たちの生活空間をぶっ壊すだけの価値はあったのかという疑問も当然浮かぶし、なんというか、他の野生動物たちと同じく人間ももれなく開発によって住処を奪われてそれまでうまく循環していた生活サイクルみたいなものをぶっこわされていたんだなぁとか思ったり。
あとジェイコブさんが逮捕されたっていうのがこれまたショックで。
いたってまともなこと言っただけなのに逮捕されちゃうのかぁみたいな感じで。
カナダに引っ越していった先でまたもや高速道路計画が持ち上がったと言うのも、なんというかそれはジェイコブさんの持って生まれた運命みたいなものなのか、それともその当時、世界中のどこに行ってもその波から逃れることはできなかったと言うことなのか。
今となってはあんまり記憶に残っていませんが、いろんなことが腑に落ちたような気がしたドキュメンタリーでした。
無理矢理絞り出した感満載ですか?
そうですね。 私もそう思います。
でも面白かったんですよ?
私の好み度: ⭐️⭐️⭐️⭐️/5
🍅: 95%