ソウル・ミュージックの父、サミュエル・クックについてのドキュメンタリー。
サム・クックという人はソウル・ミュージックの父と言われるミュージシャン。全然知らない存在だったんですが、音楽史を語る時にはスキップすることはできないキー・パーソンってことですよね???
だってソウル・ミュージックの父ですよ??
このドキュメンタリーで初めて知りました。まぁ私の音楽無知ぶりはジャンル全般にわたっているので驚くにあたいしないかもしれません。お前が知らねーだけだよっていうアレですね。
エルビス・プレスビーと同じ時期にチャートを騒がせていた人で、TVにもよく出ていて白人社会にも受け入れられていたサム・クック。
でもまだ時代は白人と有色人種との扱いがはっきり分かれていて、このドキュメンタリーの中でクィンシー・ジョーンズが話していましたが、ライブなどでの旅先で宿の代わりに霊安室で 死体と一緒に寝ることもあったそうです。ボロボロの宿やら空き家にコンサート・ツアーの時は泊らされたというのは既に知っていましたが死体安置所とはー😱。ギブス(NCIS)じゃあるまいし。
イベント会場でも当然白人の人たちがいい席で、自分と同じ黒人は隅っこの方に追いやられていて。
そんな状況に声を上げずにいられなかったのがサム・クック。歌詞にそういった問題をこめて歌ったり、作曲や作詞の権利も買い叩かれていた状態を改善すべく自分でレコードレーベル会社を立ち上げたり。
でも信頼していた弁護士(ビートルズやローリングストーンズも騙しまくった弁護士だそうです。)に契約面で騙されて。
33歳の時にワットのモーテルで殺されてしまったそうです。
サム・クックに暴力を振るわれそうになったのでモーテルの女主人が自分を守るために撃ったということですが、社会問題や人種問題に物申したりすればまず信頼失墜させられるのは常套手段なのではめられたのかなぁと思わなくもなく。
マルコムXやモハメド・アリとも親交が深く、そのことでFBIに睨まれたとも言われてますし、自分でレコード会社を作ったため、商売の邪魔になると思ったマフィアに消されたという説もあったりと何やら不穏な噂がつきまとう感じで。
差別のない平等な世界の実現など理想でしかなく現実には不可能だとついつい思いがちになるんですが、でも差別されていない側にいられれば「難しい。簡単じゃない」で眉間にシワ寄せるなり天を仰いでため息をつくなりで済ませられても、生まれながらに差別されるサイドとなってしまった場合、難しい...と諦められる事項ではとてもなくて。なんとか変えて見せると諦めないで声を上げてくれた人たちがいるからこその今なんだと思えば、この歩みをここで止めてはいけないって。
自分の代で失ったり後退させてはいけないと、伝統芸能じゃないけれどやっぱり意識して守っていかないといけないものなんだなって。
そんなことをぼんやり思った次第です。
私の好み度: ⭐️⭐️⭐️/5
🍅: 100%
ReMastered: The Two Killings of Sam Cooke (TV Movie 2019) - IMDb