So Be It

見た映画の感想。時にネタバレを含んでいますのでご注意ください。

アミスタッド (Amistad)

 家族と平穏無事に暮らせる自由を手に入れるために、人はずーっとずーっと戦ってきて、ここまできたんだなぁ。

アミスタッド [DVD]

アミスタッド [DVD]

  • 発売日: 2014/09/10
  • メディア: DVD
 

 

 

1839年、奴隷輸送船で囚われていた奴隷たちが拘束を断ち切り船を乗っ取る。しかし、奴隷たちはアメリカ海軍に逮捕され投獄される。コネチカット州で奴隷たちの所有権をめぐって裁判が行われることになり、奴隷廃止運動を行っているルイスは奴隷たちを解放しようと弁護士を雇う。

  強烈だった。 人が奴隷にされた時どのように扱われるのか。 生きている物どころか道具としても思ってもらえていないのではないかという扱いのあまりの無造作さにゾッとした。

  奴隷船での境遇さることながらアメリカでの裁判でもやはり人として扱ってもらえない。

 彼らの所有権を巡って裁判が行われるも、裁判所の中でも彼らはずっと鎖に繋がれたままで。同じ空間にあれだけ鎖に繋がれている人がいることに違和感を感じずにいられること自体が怖いと思ってしまったのだけれども。

 その当人たちを目の前にしながらその当人たちを人間としてではなく所有物という扱いで話しが進むシチュエーションとか、こういう状況にはどちらの立場でも遭遇したくないと思ってしまって、おそらくあの裁判所の中にもそう感じていた人もいたんだろうなとは思いつつ。それとも、時代だからっていうことで当時の人たちが誰も何も違和感を憶えなかったなんてことはあるんだろうか。

  まぁ、このあたりの理不尽について書き出して言ったらもうキリがないし、またもやおとしどころ迷子になるのでやめておく。

 

 もう一つ衝撃的だったのは最高裁判所でのジョン・クィンシー・アダムズの最終弁論で、「自分の自由のために命がけで戦ったシンケは真のヒーローで彼らの主張を認めることが内戦を引き起こすことになるというのであれば、引き起こしてしまえばいい。それがアメリカにとっての最後の独立戦争になるだろう」と言い切ったシーン。

 自由とは、人が人として生きる権利とは、その位の覚悟で守らないといけない、その位の覚悟がないと守れないものなんだなとズーンと重たくのしかかったというか。

  アメリカ人がアメリカという国を強く誇りに思う気持ちもよくわかった気がした。自由のために戦ったという自負があるんだなぁと。

  映画の中では奴隷解放論者であるルイスのWhite Spremacyぶりもしっかり指摘していて。

  長時間で精神的にも辛い映画ではあるけれども、今回のアメリカの大統領選での人々の意見の食い違いぶりに戸惑っていたところなので、見てよかったなと。

 

 と、これを書いている途中で「タイム・スクープハンター」の「鉄火の裁き!」に見入ってしまったのだけれども。

 お、面白かった。

 最後に明かされる、お役人と和尚様の人として気の利かせ方があまりにもカッコ良くて、なんというかかなり上向きな気持ちになれてしまった。←洗脳されやすい。

 正確なフレーズは忘れてしまったけれども「歴史はこういう名前も残らない一人一人の人たちの積み重ねによって作られていく」っていうナレーションに、貴族や支配者層でなくても人として個人として不当な扱いを受けることなく生きられる世界になるようにと勇気を出して踏ん張ってくれた人たちがいるから今があるんだということに改めて感謝しつつ、その人たちが切り開いてくれた道をさらに先に進めていけるように、そんなことは不可能だと、単なる理想だと諦めてしまったりしないようにしなきゃいかないなって。

 きっとそういう心を信念とかって言うんだなぁと思った。

 

 にしても、マシュー・マコノヒーってこういう人種差別問題としっかり向き合う俳優さんなんだなぁと、なんだか尊敬の念を深めてしまった。

 「True Detective」で初めてこの人のこと知って、そこから集中して出演作品をいくつか攻略した時期もあったけれど、インタビューとかは読んだことなかった気がするので、今ちょっとこの人の人となりに好奇心がくすぐられまくっている。

 

 

Joseph Cinque: "What kind of a place is this where you almost mean what you say? Where laws almost work? How can you live like that?"

 

John Quincy Adams :"We desperately need your strength and wisdom to triumph over our fears, our prejudices, our-selves. Give us the courage to do what is right. And if it means civil war, then let it come. And when it does, may it be, finally, the last battle of the American Revolution. That's all I have to say."

 今年の7月にアミスタッドを復元した船に「Black Lives Matter」の旗が掲げられたそうです。

connecticut.news12.com

私の好み度: ⭐️⭐️⭐️⭐️/5

🍅: 77%

www.imdb.com