アイス、アイス、アイスー♩
ICE-TとICE CUBEが共演!
消防士のヴィンスとドンがとある消化活動の際に50年以上前にカトリック教会から盗まれた黄金の装飾品の隠し場所を書いた地図を手にいれる。
休日を利用して地図にかかれているセントルイスの廃屋となった工場におもむき、宝探しをはじめる。しかし、そこにアフリカン・アメリカンのギャングの一団がやってきてしまう。
アメリカで最もヒーローとして尊敬されるはずの消防士の二人がスマートとは程遠い描かれ方をする。欲と偽善と傲慢がどんどん露呈していく様が凄まじい。
対してアフリカン・アメリカンで構成されたギャング一団のメンバーはソフィスティケートされているというか、それぞれにスタイルがあるというか、スター性があるというか、廃墟となった工場にはあきらかに場違いなオーラを放ちながらの登場。
もう一人重要なキャラが30年間この廃墟となった工場を住処にしていたアフリカン・アメリカンの老人。
宝探しと称していきなり彼の住まいに乱暴に踏み込んでくるヴィンスとドン。
とってもわかりやすいメタファーとなっていて、おかげでヴィンスとドンがどんどん悪者に見えてくる。
どんなにやっていることを正当化しようと言いつくろっても、上滑り。
しかもこの二人はまったく老人のいうことに耳を貸そうとはしない。
それでいてかなり厚かましいことを要求してきたり、「悪く思うなよ」とかっていったときにはその顔にもの投げつけてやりたいような心地になっている。
気持ち的に”お前らが宝飾品持って無事にここから去っていくオチだけは耐えられねー”とかなっている始末。
とんでもなくかっこよく登場したもののその後のギャングの一味のみなさんの動向はあまりさえない。
銃撃戦の最中は危ないから携帯電話の電源オフっとけよとか思ったり、ずーっとホームビデオを回し続けているギャングメンバーの存在に「犯罪の証拠残してええんかいな」と随時気になりつつ、宝探し組がギャング団のボスの弟を人質にとったところで事態はすっかり膠着状態。
弟を助け出したいボスが話し合いでどうにかしようとヴィンスとドンに交渉を持ちかけるが、”交渉中にぜったいに発砲するな”という命令がメンバーの隅々まで行き届かなくて、結局弟を助けたいボスの思いにちっともシンパシー感じなくてイラついているメンバーらが安易に発砲したため、交渉の余地はなくなってしまう。
30年間その廃工場に暮らしていた老人が微妙なポジションで、彼はいきなり押し入ってきて自分を椅子に縛り付けたヴィンスとドンに腹をたてていたけれども、ギャング団の抗争に巻込まれたくないので途中から追い詰められた二人の手助けをする。
皆それぞれに清濁併せ持っていて、”こいつサイテー”と思っていたら”うーん、そこは理にかなってるなぁ”な面があったり、”いいヤツなんだな”と思っていたら”こいつ無自覚にサイテーか???”な面があったりして、”ここはどっちを応援したらいいんだ..."と悩ませられつつも、オチには納得。うん。痛快な感じもちょっともらえたかな。したたかに生き延びなきゃねって感じで。
あと「それが相手を侮辱する発言になっていることに全く気がつかない怖さ傲慢さ」みたいなのも感じて、ひやひやしたり。
18禁とあったので、どんだけ恐ろしいんだと恐々視聴だったけれど、見終わってみたらなんで18禁なんだろうと不思議になってしまった。 ちゃこらシーンは皆無だし、残酷描写もなかったような....私の感覚が麻痺しているだけなのかな??
私の好み度: ⭐️⭐️⭐️/5
🍅: 69%