因縁の作品。
といったら、大げさかもしれないけれど「ワイルド・スピード 3」がどういう経緯でジャスティン・リン監督に話がいったのかを調べまくっていたときに、とニール・モリッツとジョン・シングルトン監督の接点としてみつけた作品がこの「タイムリミット」だ。
"「ワイルド・スピード」シリーズと「マルチ・エスニック」を考える - 其の四"でぬけぬけと、
”その接点とは「Out of time」という2003年に公開されたデンゼル・ワシントン主演の映画でニール・モリッツの名前がプロデューサーの中にある...って今気がついたのだが、この映画の脚本を書いた人が「アナポリス」の脚本を書いたデイヴ・コラードじゃないか!”
なんて私は書いているが、この時にはまだデンゼル・ワシントンって名前しか知らないんだなー!! このあと、こんだけ自分が沼ハマりするとはこの時の自分は夢にも思っていないんだなぁ。 ”なんか私でも名前のきいたことのある有名な俳優さん”としか認識していない。とんだあほすぎる!
ばっかだなあー!!!!
この作品にデンゼル先生が出てるってことの重要性に全然気がついてない。
しかも、このことをすっかり忘れていて配信で見られそうにないデンゼル先生の作品の円盤を買おうとピックアップしていた時にようやく気がついたっていう。
「ああああああ!!!!!ええええええええ!!!!!ああ、そうか!そうか!!!!」
なんて、一人でボーゼンとしていた私に我ながら大笑いだ!
本来なら真っ先に確認しておくべき作品じゃねーかよ!!
などと自己ツッコミしつつようやく見ました!!
結論から言えばとても普通に楽しめるエンタメ作品に仕上がっていて、小難しいこと考えずに存分に楽しめました。
デンゼル先生が普通のちょっとダメっぽい男のひとを演じていたのもちょっと珍しい感じで新鮮で。
マットはフロリダ州にある小さな島の警察署で所長を務めている。
平和なコミュニティで大きな事件が起こることもなくのんびりとつとめていたが、妻のアレックスが刑事に昇進したことで仲がギクシャクし別居。その寂しさを紛らわすため高校の同級生のアンと不倫していた。しかしそのアンが末期ガンと知り、マットはアンに治療費させてやりたいと警察署に保管してあった売り上げ金を持ち出す。
その翌朝、アンの家が全焼。夫とアンの遺体がみつかるが殺人であると鑑識結果がでたことから殺人課の刑事に昇進していた妻のアレックスが捜査をしきることに。
この事件の最有力容疑者がマットで、容疑をはらそうにも巧妙な罠にはまっていてにっちもさっちもいかず、さらに押収金も行方不明で絶体絶命のピンチに陥りつつ、マットはアレックスの疑いの目が自分に向かないよう細工しつつ押収金と真犯人をみつけるべく奔走する。
自分の容疑をはらそうにもその証拠となりそうなものがすべて自分が犯人と指し示しているという状況に追い込まれていて、もう逃げ切るのは絶対無理なんじゃないかっていう。しかも押収金を持ち出したのは事実なので、罪を犯してはいるのでなんというか、どっちにしても逮捕は免れないのかなぁという状況。
鑑識でマットの悪友でもあるチェイが「押収金」もってこのまま逃げちまおうぜーなんて悪いこと言いつつも、マットの味方でい続けてくれて、いい具合にアシストしてくれるのが面白い。
この二人の組み合わせはほんとうに面白くていい具合に緊張緩和に。
奥さんがそんなに好きなら浮気しなきゃいいのにーとか思いつつ。
でも劇中一番驚いたというか怖かったというか動揺したのが、ホテルの一室で格闘となり窓が開いていて、手すりにぶつかったら手すりがコンクリートごと地面に落ちるっていう....どんだけ建築耐久年数すぎてんねん!とか、それともそもそも手抜き工事なのか???とか。 あそこが一番肝が冷えたな。 怖いわー。
ホテルで手すりには絶対もたれかからないぞー!!!!
あと、マットがアンの家に訪ねていったときアンの夫と口論になったのを目撃していた白人の老婦人がいて、似顔絵をつくりに警察署に来るシーンがあって、そこでマットをみて「あの人よ!」と指をさすのだけれど、そこで”白人の人は案外黒人を見分けられない”という、いつもだったら人種差別からくる冤罪の原因の一つを逆手にとって、切り抜けるところが面白かったというか、「うまい!」って感じで笑ってしまいましたとも。
円盤メリットでメイキングもついておりました!
カール・フランクリン監督とは「青いドレスの女 (Devil in a Blue Dress)」で一緒に仕事をしたこともあるせいか現場でのデンゼル先生はすごくリラックスしているかんじ(まぁ役柄のせいもあるのかもしれないけれど)。撮影の合間もスターオーラは全然放ってなくて、共演者やスタッフが近くで監督が話していたりするとニコニコしながらそれに耳を傾けている感じ。取り巻きとかそういうのも全然いなくて、デンゼル先生がそこにいたって気がつかないぐらい馴染みきっているのがデンゼル先生っぽくていいなぁって。
シナリオ・ライターのコンラッドさんもいっぱい意見を聞いてもらえたって、すごく嬉しそうに話していてオープンな雰囲気で撮影が行われたんだろうなぁというかんじで。 マットの別居中の妻アレックスを演じていたのが「ワイルド・スピード 2」にでてくるFBI の潜入捜査官モニカを演じていたエヴァ・メンデスさんでございました。(この経験のあとに「アナポリス」の現場だったのかぁと気の毒に思いつつも、ジャスティン・リン監督と編集担当の人とすごく意志疎通できていた感じだったので。意見を自由に交換できる現場という点ではかわらなかったと思うけれども、それだけでは立ち行かない不自由さが映画づくりにはつきまとうんだなぁとか思ったり)
あと1993年にデンゼル先生とジョン・シングルトン監督がチャリティで遭遇していたようで。
この二人が一緒に仕事をすることはなかったんですが。
それにしてもいま気がついたんですが、デンゼル先生の方がジョン・シングルトン監督より14歳も年上だったんですね!!!
デンゼル先生年齢不詳すぎて....!!!😂 (そしてシングルトン監督は貫禄ありすぎてー!!いつもすごい年齢上なイメージでみてしまう)
でもやっぱりデンゼル先生が年齢不詳すぎる!!!
私の好み度: ⭐️⭐️⭐️⭐️/5
🍅: 64%