So Be It

見た映画やドラマでFilmarksにない作品の感想と覚書。時にネタバレを含んでいますのでご注意ください。

神の日曜日 (Come Sunday)

これはなかなか興味深かったような気がする。

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ラキース・スタンフィールドことラキ兄出演作品攻略でみた映画。

ラキ兄は相変わらず存在感のない存在感オーラを絶妙なさじ加減で発揮しておられました。

ラキ兄がすごいなぁと思うのはラキ兄目当てでみているにもかかわらず、ラキ兄に一瞬気がつけなくて、少ししてから「ん???今のラキ兄かな???」という感じで確信が持てないところがあるところというか。

でも一度認識してしまえば間違いなくラキ兄で、なんというか作品に不思議な溶け込み方をする人だなぁという印象をいまのところ持ちつつ。(←てめーの記憶力がポンコツなだけなのでは...???)

 

でもまぁ、それはともかくこの作品はかなり勉強になったというか。

映画として見るぶんにはなんというか結構かなり退屈だったんですが、キリスト教にもいろいろあるんだなぁという発見になったというか。「ザ・ウォーカー ( The Book of Eli )」がエンディングで示していたことも結局こういうことだったのかなぁとなにやら手がかりを得た気がしまして。

 

というのもデンゼル先生が敬虔なクリスチャンであることは私も知っておりますので、聖書やシェイクスピアをアルカトラズ刑務所にいれたところは「西洋文明」を刑務所にいれちゃったっていうことなのかなー?と感想かいたときには推測してみつつも、デンゼル先生がシェイクスピア好きなのは知ってるし、なんというか自分の解釈の仕方では完全に腑に落ちたという風にはなっていなかったんですね。

でもこの映画を見ると、同じクリスチャンでも聖書の解釈の仕方がいろいろと異なっていて、そのことで発生する軋轢みたいなのがとってもわかりやすく描かれている部分があって。

「あー、そんなことがあるのかー」と宗教に疎いというか、宗教にはむしろ胡散臭さと怖さしか感じていない私としては、「へぇ...」と、ちょっと警戒感を解く気分に。

 

カールトン・ピアソンという実際にいる福音派の牧師さんのお話で、刑務所にいる叔父が自分と面会した後に自殺してしまい、そのあと自分の牧師としての行いについて疑問をもつわけですよ。叔父さんが”赦し”を求めたのに”赦し”を与えなかったので当人からすれば後味がわるいのなんのっていう感じで。

でも自分の宗派の教義どうりに考えれば間違ったことは何も言っていないのになぜこうもモヤモヤしてしまうのかと悩みまくって。

で、そのモヤモヤをこの人は聖書をよみまくることで追求するわけなんですね。

で、そこで「これまではキリストを信じて”教え”どおりに生きないと天国にはいけないと思っていたけれど、実はキリストが皆のために犠牲になってくれた時点でみんな天国にいけるんじゃないの?」っていう解釈にたどり着くわけですよ。

で、それを教会の説教でお話すると、みんなにどん引かれて、異端審問にかけられるーって事態にまで発展しちゃうわけなんですが。

 

年表のBCとADの起点がキリストというお話の中の人なのか実在の人なのかよくわからない人の誕生日と習ったその時からずーーーーーーーと不思議で不思議でたまらない、キリスト教。

もしもキリスト教がなければ、BC、ADというややこしいことにはならなかった??とか、そこからはじまって他の宗教もまぁ謎存在でしかないのですが。

 

カールトンの上司であり師匠の牧師さんが同性愛者であることが聖書の教えに反するからと息子を突っぱね続けたら息子が自殺したという経歴を持っていて、この人が「キリストが犠牲になってくれたおかげでみんなの罪ってとっくに赦されてんじゃね?」というカールトンの説を真っ向否定するわけですよ。まぁ気持ちはわからないでもないんですが。

で、「君は悪魔の声をきいたのではないか?」と愛弟子をまっとうな道にもどそうと師匠は心を砕くわけなんですが。

なんというか、難しいなぁと。

息子を自殺においやっておいてまだ目がさめないのー???と私的には思っちゃうんですが、なんというかこの師匠も別に強権的な悪い人でもないのかなーっていうところが。

この”悪い人でもない”っていうところが曲者で。

ましてや相手が恩師とか肉親だったりすると、一体何が最善なのか余計に判断がつかなくなってくるというか。

 

言葉や思考って恐ろしいというのはそういうことなんだなぁって。

自分にとって辻褄があったりすると、それに思考が囚われちゃう。

私が宗教を警戒するのは、自分はめちゃくちゃハマりやすいだろうなぁとおもうからなんですが。詐欺とかにもあっさりひっかかると思うし。

宗教ごとには一切近づきたくない私ですが、でも宗教ネットワークのもつサポート精神というか、いざというときに実行力を発揮する「困った人を助けよう!」というネットワークは心底すごいと思うし、いいシステムだと感じるし、さりとて、その善意圧の怖さや息苦しさもわかるだけに。うーん。

 

こうなんというか、清濁を併せ呑むというか、ちょうどいいさじ加減をたもつことができないのかなぁーって。中にはそういう人たちもいっぱいいるんだろうけれども。

 

なんかまぁそんなことをぼややーんと考えさせてくれた映画でございました。

 

 

私の好み度:⭐️⭐️

🍅:68%

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