尋常でなくお気軽なラブコメディ...?
アフリカン・アメリカンの人たちがイメージする"アフリカあるあるネタ"を存分に詰め込んでいるので、これまた複雑な...。
基本的にはお気楽ラブコメディで、可愛らしく楽しく仕上がっているので普通に見る分には十分楽しく観れてしまうんですが、アフリカン・アメリカンの人たちにとってのアフリカとは...というところに意識を向けると結構かなりシュールなことを描いている気がしないでもないんだけど、どうなんだろう。
主人公のマヤはアートの道に進みたいと父親の家業を継ぐ気はまったくなく、創作のインスピレーションを受けにいくといって南アフリカへ。
南アフリカ観光を存分に堪能したマヤはそこで知り合ったムトゥビーという男性と恋に落ち結婚しようとするのですが、ムトゥビーの浮気現場を目撃して失意のままアメリカにもどることに。
しかし父親に「それみたことか!」と言われたくなくて真実を話せず、ムトゥビーは遅れてアメリカにやってくると空港に迎えにきた家族に嘘をついてしまいます。
大見得を切ってしまったもののどうしたらいいかわからずダイナーでマヤが黄昏ていると、偶然金銭がらみのもめごとで命を狙われていたマルコムを助けたことで、マルコムが恩返しにムトゥビーになりすますことに。
マルコムは4歳の時両親を失って以来家族というものを知らなかったのでだんだんマヤの家族が好きになっていき、またマヤもマルコムに心惹かれていくようになります。
最初はブラック・ムービーでもこんなお気軽なラブコメもあるのかーなんて思いながら観ていたのですが、”アフリカ”関連で例えば白人の人たちが出ている映画でこれやったらめっちゃ叩かれるだろうというネタもガンガン飛び出してきてギクリヒヤリ。でもあまりにもおおっぴらにやっているから、だんだんと「当人たちがやってる分にはいいってことなのかしら???」と思いかけたものの、アフリカン・アメリカンの人たちはアフリカンではないしなぁ....となって、それにアフリカンといってもアフリカは広大だし、国もいっぱいあるし...となって、そしたらこのマルコムはカナダからアメリカにやってきているのでアフリカン・カナディアンになるのか???とか。
アメリカで生まれなのでやっぱりアフリカン・アメリカンなのかーとか。そこまで考えると、「ん?それでいくとイドリス・エルバはアフリカン・ブリティッシュということで」とだんだん頭が大混乱を起こしてしまって。
むむむむ...ブラック・ブービーといっても全然簡単にくくれないじゃないか。
確かにイエロー・ムービーとかホワイト・ムービーとかブラウン・ムービーとかっていうくくりでは見ないしなぁ....とか。
映画自体は他愛なく可愛らしくて面白かったのですが、なんだかこれを臆面通りに受け止めていいのやら悪いのやら.....マルチ・エスニック関連問題について迷路入りしてしまった気分です。
追記:
黒人の人たちはアフリカン・アメリカンの人たちだけではないという至極当たり前のことに、ここにきてようやく気がついたようです...😓
私の好み度: ⭐️⭐️⭐️/5
🍅:22%