これってもしかしてサウス・ロサンゼルスの創世記のお話?
失業中のイージーは家のローンの支払いが2ヶ月たまっており、バーのマスターから紹介されたオルブライトという白人男性から人探しの依頼を受ける。不審を感じつつもイージーはダフネという白人女性を探すことにする。しかし、ダフネの行方を知るという黒人女性のコレッタが殺され、その容疑がイージにかけられ逮捕されてしまう。
デンゼル・ワシントン出演作品攻略一環での視聴だったのだけど、これまた気持ちの重くなる映画だった。
コンプトンという町名がセリフの中でてきて、コンプトンまで車で乗っていかないとというセリフをきいて、「ん? もしやイージーが暮らしているこの町はサウス・セントラルなのかしらとか思ったり。
欧州戦線から復員してきたイージーは軍からの給付金で学校に通い、エンジニアとなった。働いてお金をため、ローンを組んでマイホームを手にいれた。
他にも造船所や航空会社に職を求めて大勢の黒人がカリフォルニアに移ってきている。イージーのご近所さんも皆黒人だ。
故郷のテキサスで友人でありギャングスタのマウスのゴタゴタに巻き込まれないためにずっと連絡を絶っていたのに、結局この人探しの件でギャングスタと関わり合うことになり身を守るためにマウスを呼ぶことになる。
しかし、なんというかマウスは気持ちいいぐらいためらいなくあっさり盗みや殺しはするが、イージーに対して裏切らないどころか大金を目の前にしてもイージーを裏切って独り占めすることなく折半してイージーにわたしている。
黒人の母親と白人の父親から生まれ見た目が白人で、しかし出自のせいで結婚を妨害されるというなんというか。
白人のような見た目のせいで、もしかしたら黒人のコミュニティーに溶け込むの難しいところがあるのかもしれないと思ったり。
そりゃ知り合いになったり親しくなったりすれば別だろうけれど、最初見た目で判断されたとしたらどういうリアクションをされるのかっていうことを考えてしまう。
でもだからこそ見た目だけで人を判断することの残酷さというのを感じてしまって、なんともやるせない気分になってしまう。
この映画は小説が原作になっているそうだけれども、その作家さんのご両親がお父さんがユダヤ人のロシア系移民でお母さんがアフリカン・アメリカン...ってこれをみて「ああ大変だっただろうな」と思ってしまう社会の歪さというか。
なんでこの出自だと大変ということにならないといけないのか。
そこがおかしいじゃん、そもそも。
白人専用ホテルとかもよくわからない。
言葉が通じてほっとできるからっていうまだ同言語者専用ホテルの方がいいとは言わないけれどまだ理解はできる。
相手が何を言っているかわからなかったら、自分が失礼なことをしてしまっているのかとか、相手が自分に何を求めてきているのかわからないし不安になるからせめて旅先でホテルにいるときぐらいはそのプレッシャーから解放されたいっていう意味において気持ちはわかるよなーって感じで。
法にも警察にもまもってもらえない場合自衛するしかないっていうところにこの映画は結局着地したような....。
この映画がリリースされたのが1995年。
すでにLA暴動は起こった後でのリリース。
うううーん。
またこの時期かぁ。
この時期にあの街がはじまった頃の話が映画になるというのも興味深いというか...(イージーのマイホームがあるのがどんぴしゃりのサウス・セントラルであっているのかどうか定かではないけれども....)
それとも私が知らないだけでそういう映画はその前からいろいろあったのかな??
ないとおかしいよな..うん...。
最近「Hollywood」というネトフリオリジナルのドラマを見始めた。
「The Big Bang Theory」のシェルドンでおなじみのジム・パーソンズが出演していることで興味をもったのだが、その中でも有色人種と白人のハーフの監督や俳優が仕事を得るために出自を隠して...という話がでてきて、なんだか「あー....そういう苦労もあったりするのか....なるほどなぁ...」とかあらためて思ったりすることもあって、なんか色々と本当に複雑だなぁ....と。
Mouse: You said don't shoot him, right? Well I didn't. I choked... look, Easy, if you ain't want him dead, why you leave him with me?
Easy : If you got a friend that you know does bad things, I mean real bad things, and you still keep him as a friend even though you know what he's like, do you think that's wrong?
Degan: All you got is your friends.
追記: デンゼル先生、後にインタビューでマウス役をやりたかったとこぼしておりました。
私の好み度: ⭐️⭐️⭐️/5
🍅: 88%