救いようのない「Baby Boy」?
刑務所視点でのモノローグは一瞬面白いと思ったけれども、設定やストーリーは「Baby Boy」をどことなくというか、主人公の前向き具合を除けば、けっこうまんまな感じなので。映画がどうこうというよりも主人公に対して「おい、もっとタフになれよ!💢」と。
20年経過しても事情が変わっていないというのなら、この20年間の努力はなんだったんだということになるので、もう少し事態は好転しているのだと思いたいのだが、負の連鎖はまだまだ根深いのだろうか。確かに海外ドラマ「Atlanta」をみているとまだまだ変わらない部分の方が多いのかもしれないが...。
でも、それにしてもさ!
子供時代と現在とフラッシュバックを繰り返しながら主人公がなぜマルコムを殺したのかが明らかになっていくものの、あんまり共感できないかなぁ。
途中から誰が誰かもわからなくなっていったのが致命的だったと思う。
フラッシュバックしながら物語るならもっとわかりやすくやってよ!💢
外の組織事情もご近所事情もよくわかんなかったから刑務所内の構図もよくわからないし、あの人がお父さんだと気がついたのは、エンディングながれてぐらいからだぞ!
ずーっと腹立てていたお父さんとついに和解できたからよかったってことなのあれは?とーちゃんみたいにならないのってめっちゃ過酷に難しかったんだね。とーちゃんが昔いってたこと今ならわかるよ?的理解なんだろうか...。
この主人公がずるずると流されていくのを、それを負の連鎖のせいだけにしてしまうのもちょっと違うような気がした。
そりゃ厳しい環境であることは否定しないし、まだまだ差別も根強いかもしれない。
でもさ....。
「なんでそうなるねん!」と何度主人公につっこんだことか。
妊娠させておいて、あとからキレるパターンも腹立たしい。
口ばっかりで迷惑しかかけないっていうのがな。
彼女とお母さんはあの街で身を粉にして働いて、あの子を育てあげるのだ。
一度ラップの音楽を否定されたぐらいで犯罪者に流れてんじゃねーや!
ジョン・シングルトン監督だって「Baby Boy」で大人になれ!って言ってんじゃないか。
がんばろうぜ!
簡単じゃないけれど、負の連鎖断ち切っていこうぜ!
その強さがなければラッパーとしても成功できないよ!
追記: この記事を書いた後で映画で描かれるような差別環境がまったく改善されていないと知り、↓この記事を書いた。
そして、いまこの追記を書いている段階でアメリカではジョージ・フロイドさんの死を引き金に「Black Lives Matter」運動が急速にアメリカ国内のみならず全世界規模の広がりをみせている。
私の好み度: ⭐️⭐️/5
🍅: 54%