That's what everybody keeps saying. "I'm just a professional". Everybody keeps saying that to me. "I'm just a professional", "I'm just a professional". I'm getting sick and tired of hearing that.
デンゼル・ワシントン出演作品攻略の一環で視聴したのだけれど、こういうキャラに私はめちゃくちゃ弱い。
クリーシーは過去に米軍に16年間所属していた経歴の持ち主だけれども、今は無職。酒にやや溺れかけ。何か過去のトラウマに苦しんでいる。
長い付き合いの友人であるレイバーンの元を久しぶりに訪ねたクリーシーはレイバーンから裕福な家の9歳の一人娘ピタをボディガードする仕事を紹介され引き受ける。
冒頭でメキシコでいかに誘拐ビジネスがはびこっているのかを説明されるので、この女の子が誘拐されて彼女を救うために戦うとかっていう犯罪捜査しつつ、バリバリアクションしつつという内容なのかなと思っていたのだけれど、前半戦はその予測とはまったく外れた方向に流れていく。
9歳のピタとクリーシーの信頼関係が構築されていく過程がとても丁寧に描かれる。最初はそこを描いて、後半クリーシーが彼女を必死に探すことにある動機付けにするということなのかなーなんてヨコシマな考えを頭によぎらせながら見ていたのだけれど、そのうち描かれているのはピタとの信頼関係の確立ではなく、クリーシーの本来の人柄というのが描かれていっているのだということに気がつく。
真面目な人柄で周囲の人たちから自然に信頼される。不器用なところはあるが、とても優しい。人のために親身になれる。
このままクリーシーがなんらかのトラウマ、彼が自ら命を断とうとなんども思いつめさせる過去から立ち直って人として普通の幸せをつかめるようになるんじゃないかと思いかけた時に、穏やかな時間は唐突に断ち切られる。
本当に唐突に。
そして彼は復讐の鬼と化す。鬼といっても怒りにまかせて無鉄砲に戦いを挑むわけではない。 とても冷静に、とてもスムーズに効果的に。前半のあの不器用さが嘘のように消え、手慣れた様子で冷酷かつ残忍に人を脅し、無慈悲に死をもたらしていく。
それが彼が16年間の軍歴で行ってきたことなのだとすぐにわかる。
少女の誘拐に関わった男達が「仕事でやったことだ」と必死に言い訳する。クリーシーも「仕事」で数数え切れないほどの恐ろしい仕事をこなしてきたのだろう。“これは任務だから”、“国を守るために”と言いながら、そうして数え切れないほどの命を残酷なやり方で奪ってきた。
そんな自分を許すことができず、クリーシーは一度自殺を試みる。しかし不発だった。この命は少女を守るために使えと生かされた。それがこの世でクリーシーが果たさなくてはならない贖罪で、それを全うしたクリーシーは神の慈悲を受けることとなる。
あまりキリスト教に詳しくはないし、好きではないけれども、それでもあのラストはそう感じてグッときてしまう。
これは慈悲で彼は赦されたのだろうと。
本当なら自分の家族をもって幸せになってほしかった。でもそうなれない道を辿ってしまった。
たまたまそういう作品が続いたせいなのかもしれないけれど、ドラマや映画でCIAがやらかす当局は一切感知いたしません、失敗しても助けにいきません的な汚れ任務って、主にアフリカン・アメリカンの軍人さんたちに振られたのだろうかとふと思ったり。
にしてもデンゼル・ワシントン、めちゃくちゃかっこいいなあ!!!
A man can be an artist... in anything, food, whatever. It depends on how good he is at it. Creasey's art is death. He's about to paint his masterpiece.
私の好み度: ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️/5
🍅: 39%