これを見れば話がはやかった気が...。
でもまぁ、何も知らずに見ていたら「なんじゃこりゃ?」で終わってたか。
邦題のタイトル詐欺かと思って気にもしていなかったが、プロデューサーがポー兄主演の「Vehicle 19 」と「Hours」のプロデューサー、ピータ・サフランであると知って、どのみちネトフリにもあったので見てみた。
なんというか...。
あーだこーだと悩む前にこの映画を見ておけば話は早かったのにとポカーンな感じで。 あれこれ「わからん、腑に落ちん」と悶々悩むはめになったのは私がハリウッドの映画事情を知らなさすぎたっていうだけだった。
いやしかし、これ2013年10月下旬から2013年12月の間に撮影しているというのがなんとも複雑な気分にさせられる。
本編以上に完成させるべきかどうか悩んだんじゃないだろうか。やる必要のあることという強い思いがないと到底無理なんじゃないかと思う。特にこのブライアンもどきを演じた俳優アレックス・アッシュボーさんは結構ショックを受けたんじゃないだろうか。この役を引き受けたというだけでもすごい勇気と度胸が必要だったと思うのだけれど。
この人もポー兄同様それほど俳優業には興味のない人なのかもしれない。詳しいプロフィールはよくわからなかったけれど、南アフリカで暮らしていたか活動していた時期もあったっぽい。微妙な役どころをよくもまぁ嫌味にならないさじ加減で演じていて、すごいなぁと妙に感心してしまった。
この映画の脚本は2013年の5月に仕上がってたみたいだけど、キャスティングについて最終交渉段階らしいというのが記事になったのが2013年9月23日。
ピーター・サフランは11月に「Hours」のプロモーションでポー兄と一緒に過ごしたって話ていたので、この映画のことも話したんじゃないのかなっていう気もするけれど (だからこの11月の「Hours」のポー兄のインタビューは妙に昔のことに関して饒舌だったのかなーなんてことも思ったり)。
このアレックスさんもどこかの時点でポー兄と直接話す機会があったんじゃなかろうかと思ってしまう。というか、ポー兄と直接話さないとこの役を引き受ける気持ちにはなかなかなれないんじゃないだろうか。あの事故以降にも撮影が残ってたりしたんだとすれば、余計に。よほど強い気持ちがないととてもやり通せないんじゃないかな。
ポー兄にあれほどよりそってくれたピーター・サフランがポー兄に一言もなしでこれをやるとは思い難いというか...(そもそも、こういうのって本家に許可をとってないと作れなさそうな気もしなくもなく、どうなんだろう??? パロディ映画の権利関係ってよくわからない...)
映画はパロディとして程よくちゃかした感じで「ワイスピ」見ていれば普通に楽しめる感じ。いや、かなり楽しめる感じかな。なかなか凝った作りで「うまい!」って感じで。どのみち本編も相当な勢いでどうかしている荒唐無稽映画なので、その荒唐無稽ポイントをうまく抽出しているなというか。うん。実のところ相当笑ったし、ハラハラもした。
見る前は正直なところ、もっといやーな気分になるんじゃないかなとちょっと緊張していたのだけれど、意外なほどそういう感覚は受けなかったので、ギリギリというか絶妙なバランスを保っていたんだろうなぁと(たぶん)。
まぁ、マルチ・エスニックやポー兄の位置付けについて調べた後だったので、最初はこういう位置付けのつもりだったのかしらと思うと、かなり物悲しくなってきたりもするのだけれど。
あと、気になったのがボスもどきの名前が”Juan Carlos de la Sol"で、ラストネームがやたらと連呼されてたんだけど”デ・ラ・ソウル”としか聴こえないので、ヒップホップグループを示しているのかなぁとは思うんだけどー。
デ・ラ・ソウルはギャングスタラップとは真逆に位置するようなヒップホップグループでいわゆるニュー・スクールと呼ばれるようになる流れの草分け的存在。
音楽もラップラップしてないのでラップ好きではない人間にもとっつきがいい....というぐらいしか知識がないからよくわかんないや..( ←「Hip-Hop Evolution」で復習しなくちゃ)
強盗に行くためのマスクが動物やなにやらとおちゃめだったり、朝食たべてからにしようねっていうゆるさとかもデ・ラ・ソウル的なのかなぁとか思ったり気のせいなのかなぁとか思ったり(←かじったばかりなので自信がなさすぎる)
あとエンディングのNG集でこのデ・ラ・ソル役の俳優さんがギャグのシーンの撮影中に涙が止まらなくなってこまっちゃうっていうNGがあったんだけれど、もしや感謝祭後に撮影していたシーンだったのかなともふと思ったり(全然関係ない可能性の方が大きいけど)。
まさかこれを見て、こんなにしんみりした気分になるとは夢に思わなかった。もっと「つまんねー」とかってなるかなって思っていたので。意外によくできてたというか、めちゃくちゃ凝っていたような。おバカ系コメディをなめたらあかんという教訓。
というか、見るときはむしろある程度気構えて見ないといけないのかもしれない。
だって、どんな毒を含んでいるかわかったもんじゃないから気楽に笑いたい時に選択していいジャンルじゃないのかもとか思ったり。
まぁ、原題は別にdisったタイトルではないよな。邦題が変なだけで。
というか、むしろよくこんなタイトルつけたな...。
私の好み度: ⭐️⭐️⭐️/5
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