So Be It

見た映画の感想。ネタバレを含んでいますのでご注意ください。

「ワイルド・スピード」シリーズと「マルチ・エスニック」を考える - 其の八

 妄想は続くよどこまでもー♪

・「ワイルド・スピード」がヴィン・ディーゼルでなければダメな理由

Q: Have you talked to Vin since completing “2 Fast 2 Furious”?

Paul Walker: Yeah, I’m actually trying to get him to come in and see it. I’ll try dragging him in! But I don’t know if he wants to. I can’t help but think at the back of his mind he’s hoping it doesn’t do too well.

  「ワイルド・スピード X2」のプロモーション中のインタビューの中でポー兄がこう言っているのをはじめて読んだ時、なぜポー兄はここにきて熱心にヴィン兄を引っ張りこみたいと思ったのだろうとすごく不思議な気がした。

 

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 ラストとなる3作目ぐらいはヴィン兄とまた一緒にやりたいと思ったのか?

 

しかし、2作目の撮影を存分に楽しんでいる様子のポー兄から考えるといまいち腑に落ちない気がした。ポー兄は契約から解放されているので3作目に出る必要はない。それに、ヴィン兄が2作目に関してうまくいかないで欲しいと思っているというのもどういうことか気になっていた。

 ここにきてようやくポー兄がヴィン兄を何に引っ張りこみたいと思ってるのか見えてきた。

 マルチ・エスニックなキャスティングの作品を人々は求めているということを証明したくて「ワイルド・スピード」という作品が生まれたのなら、どうしてもマルチ・エスニックの申し子であるヴィン・ディーゼルという旗印が必要だ。

 ポー兄にもタイリースにもその役割は果たせない。

 だから、最後にもう1度ヴィン兄に戻ってきてほしかったのではないだろうか。

 2作目にヴィン・ディーゼルがでなかった理由は今の所2つ考えられる。

 1つは今後のキャリアに悪影響を出さないため。

 もう1つはアイデアを練るのに期間が短すぎたため。

 後者であれば、いつかはやるつもりだったのかもしれない。前者であればそれがヴィン兄の意思だったのか、それともヴィン兄にやる気はあってもヴィン兄の周囲の人々が止めたという可能性もある。

 ヴィン兄に戻ってきてもらうため、もしくはヴィン兄が戻ってきやすくなるよう、ポー兄をはじめ、いろんな人たちが説得に動いたのではないだろうか。

 ニールおいたんやスコットさんは当然動いていたと思うけれど、たぶんジョン・シングルトン監督もヴィン兄を3作目にもどってくるよう動いた一人だったと思う。

 というのも、2009年3月に行われた"Fast & Furious"のアフターパーティで2人がしっかり一緒に写っている写真があるからだ。

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 ジョン・シングルトン監督が「ワイルド・スピード X2」のコメンタリーで「ポールとヴィンは仲があんまりよくなかったんだろうね。見ればわかる」とか言ってたのもひょっとしてヴィン兄への挑発だったの???とさえ思えてくる。(←どういう挑発なのかと言われると悩ましいけれども)

 それどころか、ジョン・シングルトン監督が2作目を80年代風ポップコーン・ムービーに仕上げたのもヴィン・ディーゼルを挑発する意味があったのかもしれない。もしも、1作目のトーンをつくりあげたのがヴィン・ディーゼルの功績だったとすれば、「ワイルド・スピード」が単なるポップコーン・ムービーと批評家からけなされるのは辛いというか、プライド的にも耐えられないのではないだろうか。「ヴィン・ディーゼルが戻らなかった続編は...」、「ヴィン・ディーゼルはなぜ戻らなかったのか?」などなど「ワイルド・スピード  X2」の記事にヴィン・ディーゼルの名前がでてこないことはない。もしも、ヴィン・ディーゼル、もしくはヴィン・ディーゼルの周りのスタッフがB級映画のイメージを早々に消そうとしたとしても、むしろ、「ワイルド・スピード」がらみで名前がでてくることの方が多くなってしまったくらいだ。

 ポー兄はジョン・シングルトンが2作目を監督すると知った時、1作目よりも本質に迫るような掘り下げたつくりになるのかと思ったらしい。ところがシングルトン監督の狙いが1作目よりももっとポップコーン・ムービーらしくなって少し驚いたみたいだった。

 1作目とは違ったアプローチをためしたいとニール・モリッツに提案したのはシングルトン監督だ。もしかしたら、世の中を動かしたければ、問題をまじめに掘り下げた硬派な映画よりもこうした大衆が気楽にみる映画の方がやれることの可能性が大きいと感じたのかもしれないし、こうしたポップコーン・ムービーも撮れるということを示して予算の大きな映画のオファーがくることを狙ったのかもしれない。規模が大きくなればそれだけ大勢のアフリカン・アメリカ系のタレントを吸い上げることができる。雇用の機会も増やせる。そういう狙いも大きかったと思う。

 しかし、「ワイルド・スピード」ができることのポテンシャルの大きさにジョン・シングルトン監督は気が付いたのではないだろうか。

 ポー兄もその話をしていたはずだ。

 これを先につなぐにはどうしてもヴィン・ディーゼルがいる。

 コメンタリーで「この二人で続編ができるように工夫したんだ」という続編を匂わせるコメントをいれていたのもヴィン兄への挑発だったのかもしれない。その気がないならこのシリーズ頂くぞというような。

 「ワイルド・スピード」がなんらかの鉱脈を探り当てたことは間違いない。

 この鉱脈をこのまま埋もれさせてはもったいないというのはポー兄だけではなく、マルチ・エスニック推進組(?)の総意だったのではないかと思う。

 外堀からジワジワと迫ってこられてヴィン兄としてももう関わらないわけにはいかない状態になっていたのではないかと。

 ヴィン兄が戻る決定打になったのはジャスティン・リン監督との最初の会合だったのだと思うのだけれども。その会合でヴィン兄が4作目に向けて動き出していると思われるのも、興味深い。トリロジーの最後段階にきたところでここからドリロジーをやるぞと言い出したのは誰の案だったのか。

ヴィン兄が戻らなければ起こり得なかったことだというのは確かなことだが、どこからがヴィン兄の意思が入りだしたことで、どこまでがヴィン兄を獲得するために動いた人々に意思だったのか。

「Tokyo Drift」と「Fast & Furiosu」の制作費が判を押したように一緒というのもとても気になる。

・ワイルド・スピード 1作目 3800万ドル

・ワイルド・スピード 2作目 7600万ドル

・ワイルド・スピード 3作目 8500万ドル

・ワイルド・スピード 4作目 8500万ドル

 どこからかの時点で「Tokyo Drift」を安くあげ、「Fast & Furious」に備えようと決めたのではないか。

 3作目と4作目の制作費をまとめて請求した? さすがに3作目に1.70億ドルというのはなさそうだから、3作目は前・後編になりますと申請したとか。

   まぁ、単なる偶然かもしれないが。

 

 しかし、こうなってくるとヴィン・ディーゼルの獲得も欠かせないが、ジャスティン・リンの獲得も欠かせない。

 で、我ながら思いついた後に「んなアホな...」と失笑してしまうほど突飛な思いつきなのだが、ジャスティン・リン監督を引き入れるためにとんでもない作戦が実行されたのではないか。

 そんなことを仕掛けられるのかどうかよくわからないけれど。

 鍵は脚本家のクリス・モーガンだ。

 この人の採用面接をし、正式採用したユニバーサルの幹部というのがスコットさん。

 つまり、この人がジャスティンを憤慨させる脚本を書いた人をあえて採用したってことになる。この人がそういう問題に無神経とは思えないので、だとすればワザとなのか?と勘ぐりたくなってしまうではないか。

 ・ジャスティン・リンを獲得せよ作戦

 ワイスピ側がジャスティン・リンが欲しかったのはヴィン・ディーゼルを説得するのが叶わないなら、せめて「ワイルド・スピード」の3作目はジャスティン・リン監督を採用してアジア系が活躍する作品をつくることで「マルチ・エスニック」路線を貫こうとしたのが理由とも考えられる。

 「アナポリス」の予定がはっきりするまではどうしようもないことはわかっていたので、それまで待つことにしたから2作目と3作目の間が空いたとみれなくもない。

   しかし、ジャスティン・リンは「あんなポップコーン・ムービーを撮るような監督になってたまるかー!」と頑なにオファーを断り続けている。よそにいかれる前になんとかせねば!ということで「ジャスティン・リンを獲得せよ作戦」が実行されたのではないかと....(←書きながら「大丈夫か、自分???」とオロオロしております)

 

  スコットさんがクリス・モーガンを選んで脚本を書かせ、そしてその脚本をジャスティに送り、読んだジャスティンがプンスカする。

 「アナポリス」の現場でタイリース周りにいるスタッフさんがタイリースがジャスティンの側にいるタイミングを連絡し、そのキューで「脚本読んでくれた?どうかな?」っていうオファー電話をジャスティンにする。

 そして怒り出したジャスティンに「こういう歪んだイメージを広める映画を無くしたいと思わないかい?」的にたまたまそこにいたタイリースが話をするって...いくらなんでも陰謀すぎるか...。

 でもだったら、どうしてクリス・モーガンが採用されたのか?

 ジャスティンを挑発できるようなシナリオをかけるということで採用されたって、こんな失礼なことを言い出す前にこの人の他の作品を見てからにするべきだよなと思って気は全然進まないものの、Imdbをチェックしてみた。

「Cellular」 

セルラー(字幕版)

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  • 発売日: 2015/03/15
  • メディア: Prime Video
 

 ステイサムおじさんがでてるんですなぁ...

「Wanted」

ウォンテッド(字幕版)

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  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

 「47 Ronin」

47 Ronin (字幕版)

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  • 発売日: 2014/04/02
  • メディア: Prime Video
 

 うーん。

 見ないと言う資格はやっぱりないか...。

 まぁ、「47 Ronin」だけは、まだHuluの会員だった時に見ようとしたことがある。

しかし、日本なんだか中国なんだか架空世界なんだかよくわからない世界観に「なんじゃこりゃ」と思ったことだけはかろうじて覚えている。あれってファンタジーだったのかな???(←寝落ちしたので覚えていない)。

 あれを見直すのは嫌だなぁ。

 まぁ、他の二つは見てみても....

 いやでも見たい海外ドラマもめっちゃ溜まってるしなぁ....

 

 ............。

 まぁ....(←おい)、

 ワイスピ見る限りでもシナリオライターとして作家性があるとも技術があるとも思えないし...。(←偏見)

 この人が人間として悪いとかそういうことでは全然ないのだと思うけれども(たぶん)、どうも異文化の扱いに対して無神経なところがあるというか無知すぎる印象があるというか。それもどうやら相当な勢いで無自覚っぽいのが、この人に対して複雑な気持ちを抱いてしまうところなんだけれど。

 もしも本当にスコットさんがモーおいたんを採用した理由っていうのが、応募してきた人たちの中で一番ジャスティンを怒らせそうなシナリオを書いた”からだったりしたら、さすがにちょっと気の毒になってこないでもないような...(誰も教えてくれない非情...みたいなところで...って、仮にもプロの物書きなら気がつくべきだな)

 内容はないが体裁を整えるぐらいにはシナリオ書けるよっていう人が必要だったっていうなら、まぁ...。

 値段を押さえたかった?

 うーん。

 まぁ、この人の採用理由は他の2作品をみてから考えるとして....

 

   そんなことより!

 ・タイリース・ギブソンがポー兄の共演者に抜擢された理由

 もうヴィン兄が戻ってきた理由なんてどうでもいい。←は?

 そんなことよりも、「X2」のインタビューを読みなおしていたらヴィン・ディーゼルが戻らないと決めた後にタイリースが一番候補に浮上した理由がわかってしまった! (←前に読んだ時はてっきりタイリースがふざけてるのかと思って読み流していた)

 なーんと、1作目の撮影の時、タイリースもエキストラとして現場にいたらしい。

 で、その時すでにポー兄と気が合いまくり撮影でない時はお互いの部屋に遊びにいったり、バーベキューしたりと相当2人で楽しく遊んでたみたいなのだ。

  ということは、続編が決定して、ヴィン兄とロブ・コーエンがもうやんないってわかって、で、残されるのがポー兄たん。それなら、ポー兄と気があいまくってるタイリースを共演者にしようかとニールおいたん達がタイリース獲得に動いたということなの?タイリースもオファーがきた時、「Baby Boy」しかやってないのに、なんで自分にオファーがきたのか不思議に思ったって言ってたし。

 なんだよー! じゃー、MTVアワードのあのレッドカーペットの時もすでにめっちゃ仲良しってことじゃん。

 それとも最初からポー兄をタイリースと共演させてみたら面白いかもという算段がニールおいたんとスコット氏にあって2人の相性をみるためにタイリースが1作目の現場にくるよう根回しした...とか.....??? 

 いやそんな謀略すぎること...。

 

 まぁ、実際は、たまたま1作目でポー兄とタイリースが仲良くなっちゃって、で、ヴィン兄が続編でないって言ったので、だったらポー兄と気があってるしタイリースにしよう!と。タイリースが出るんだったら、ジョン・シングルトン監督来てくれるかもーと言ってみたら、ほんまに来てくれたー!

 

 みたいな話だったんだろう。

 ね。

 

おまけ

 兄さんがインタビューで「ワイルド・スピード X2」のピアースとブライアンの喧嘩シーンについて、ファィトシーンはスタントマンが振り付けるのではなくて、完全に2人に任せてもらってたらしいのだけれど、

 

ポー兄: 普通だったらあそこまでやる奴はいないんだけど、タイリースのいいところはそういう時一切ためらわないから。で、まぁ、結構やりすぎちゃって...

シングルトン監督: このバカコンビは!本当にもう現場でバカばっかりやって、この二人がバカやって現場の人間を笑わせようとするのと止めるのが一番大変だったんだ!

 

確かにメイキングでもスタッフさんたちの「まじめにやれー!!!!」という怒鳴り声が...。

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 このシーンについての話はいろんなインタビューででてくる。(←私もアホほどここに同じ話を書いている気がする。)

 この喧嘩シーンは2人に任されたので、ポー兄の部屋でどうするか考えようということになり、この時まだタイリースはポー兄がマーシャル・アーツやってると知らなかったので、全体重かけて組み伏せにかかってきたので、首に足かけて締めたそうな。技の外し方を知らなかったタイリースはジタバタするしかなかったと。のちにタイリースが「格闘シーンとなるとポールは途中で止めるということを知らないから...」と語っているので、タイリースもまさかポー兄が手加減なしで技かけてくるとは思ってなかったんだろうなぁ...。