So Be It

見た映画の感想。ネタバレを含んでいますのでご注意ください。

バーシティ・ブルース (Varsity Blues)

 アメフトが全てすぎる街のお話

バーシティ・ブルース (字幕版)

バーシティ・ブルース (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

 

 

 テキサスの小さな街でジョナサンとその仲間たちは幼い頃から一緒にアメリカン・フットボールをやってきた。この街には伝統的にアメリカン・フットボールに強い高校があり、彼らの親世代もみなアメリカン・フットボール部の OBでジョナサンと幼馴染の仲間たちも当然のごとく高校でもアメリカン・フットボール部に入り、州代表に何度も選ばれる強いチームとなっていた。しかし、大学進学を前に、アメリカン・フットボールで勝利することしか望まない大人たちの圧力が仲間たちの心や体をひそやかに蝕んでおり、加えて勝つことしか頭にない監督に怒鳴り散らされ休養することも許されないまま試合に出続けた結果、チームの要だったクォーターバックのランスの怪我をしたことをきっかけにジョナサンは監督に激しく反発する。

 

 勝つことだけが全て。負ければそれまでの努力は無駄。負ければ価値なし。体調が悪かろうが、怪我をしていようが休むことも弱音をはくことも許されない。

 ジョナサンはそんなアメフト一色な生活にうんざりしており、監督や父親から軽蔑と失望の目を向けられても、大学に進学して1日も街から離れることしか考えていなかった。

 ところがエースのクォーターバックのランスが大怪我を負い、成り行きで自分がそのポジションに昇格してしまう。

 もともと才能のあるジョナサンはランスが抜けた穴を埋めてあまりある活躍をし、チームが州代表になるための試合を勝ち抜き街のヒーローになり、途端に周囲の態度は一変。いままで誰にも顧みられなかったジョナサンは急にちやほやされだすが、そのことに心地良さを感じないわけではなかったが、違和感も大きかった。

 というのもジョナサンはランスの妹と付き合っていたため、ランスの不幸が自分のいまの地位向上につながったという事実からどうしても目をそらすことはできない。

 加えてジョナサンはランスがすでに膝に故障を抱えていたにもかかわらず、監督から痛み止めの薬を注射することを強要され無理やり試合に出さされていたことも目撃して知っていた。

 しかも監督はランスの怪我についてクォーターバックをまもるポジションにあったビリー・ボブをこっぴどく責めたて、陽気だったビリーは心身症寸前のところまでおいつめられていく。

 くわえて大学進学が内定したジョナサンに対して、もしも自分の指示に従わず、試合に負けるようなことがあれば圧力をかけて大学進学内定を取り消しにすると脅してくる。 ジョナサンはそれでも仲間とその後輩たちのために自分の将来を犠牲にしてでも監督と対決することを決心する。

 

 幼馴染ということもあって、チームの核となっている面々の友情と信頼関係が大人たちの思惑に関係なく硬く結ばれていて、そこが見る上でちょっと救いだったような。おかげで勝利が全てという監督の思想は全否定したいが、目の前の勝負にも負けたくないという微妙な思いもうまく出せていたように思う。  

 ジョナサンが監督に抗議の声をあげようといっても、「監督は父親のようにおれの面倒をみてくれた」と、ひどい仕打ちを受けているにもかかわらず、なかなか監督に逆らうということができないビリーやチームメイトたち。

 なかなか不当な仕打ちを受けているという認識にはならないという場面があって、どれほど暴力を受けても子供が親を庇うため家庭内の児童虐待がなかなか表面化しにくいという話を思い出しもした。  

 罵倒され否定され続けると、全て自分のせい、自分が悪いという思考の悪循環にはまって自殺という道を選択してしまう。

 この映画ではいずれも幼馴染の仲間というセーフティネットがあったため、この映画の中の彼らは無事に十代を生き延びることができたが、現実ではそうではないことの方が多そうな気もしてつらい。

 最後の落とし所は爽やかでいい感じだった。

 青春映画としてなかなかの良作だったのではないかと思う。

 この作品ではアメフトのチームが描かれていますが、なんとなく若手の俳優をとりまく当時の環境やのしかかるプレッシャー的なものもこんな感じだったのかもとかちらりと思ったり。

    はい。

 これもポール・ウォーカー出演作品攻略の一環での視聴です。

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 だんだん未見作品が残り少なくなってきて寂しくなってきています。

 再起不能な怪我をしてしまうクォーターバックのランスをポール・ウォーカーがとっても爽やかに演じています。  

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 非の打ち所のない優等生で男前で女の子からチヤホヤされるいかにもハンサムとくればポール・ウォーカーですよ。 

 なんというか金髪碧眼の美形という存在はそれはそれで偏見をもたれてしまう対象だったんじゃなかろうかと疑いたくなるくらいステレオタイプキャラ。

 この映画に限ったことではなく、「金髪碧眼美形」とくると「優秀でスポーツ万能、先生からも女の子からもちやほやされている」で、「その影となっていた”主人公”の踏み台にされる...」みたいなパターンを「カラー・オブ・ハート (Pleasantville)」、「ザ・スカルズ/髑髏の誓い (The Skulls )」でもみましたよ。ライターのみなさん、日頃の鬱憤を作品にぶちまけてるんじゃないかという疑惑が....。

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 それはさておき、ポール・ウォーカーさん。

 相変わらず演技は微妙です。

 相変わらずというか、この時からあまり変わっていないんだなぁと。

 当人は一生懸命です。そこは微塵も疑う気にもならないくらい熱くがんばってます。

 もしかしたら当人は反応しているつもりでも自分が思っているほどに表に現れていないというだけなのかもしれないなぁ...とか。

 よくインタビューで演技に関して「自分がこうだと思ってやったことが、実際に作品で見てみるとどれも最悪で..」的なことを言っていたし、それで自分の出ている作品を見なくなったとも。

 

  以前も書いた気がしますがこの映画では、ちゃんとアメフト選手仕様に筋肉も増量したそうです。

 でもサーフィンの時に体が重すぎて思うように波にのれないのがいやすぎて、マッチョ筋トレはもうやらないと思い、余分な筋肉はすぐに落としちゃいました。

  この映画でスコット・カーンと大親友になったそうです。 

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 この映画の撮影のため家から離れて他の俳優たちとしばらく寝泊まりしないといけないとなりスコット・カーンはうんざりしたそうです。

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ところがポール・ウォーカーとはマリンスポーツや柔術などの話で即座に気が合い、映画の間、ルームメイトとなったそうです。

 その後15年間、二人の友情関係はずーっと変わらずに続きました。

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 「お前より長い時間潜れるようになったもん!」とか二人ともマーシャルアーツを嗜んでいたので「あの技できるようになったもん!」とかそれを言うためだけに電話してくるポールさん。

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イントゥ・ザ・ブルー(Into the Blue)」で再び共演することになった時「レスリングやれるね!」と大喜びするポールさんをみて、 「ん?こいつシナリオちゃん理解してないんじゃないか?」とちょっと心配したスコットさん。

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 また劇中二人が意見の食い違いで口論となるシーンの撮影では、監督が二人は前日に喧嘩したのか??と本気で不安になるくらいど迫力な取っ組み合いをやらかしたとか。

 共演女優のジェシカ・アルバさんが本編では残念ながらカットされたけれど「歴史に残りそうなくらいとても美しいゲイ・モーメントなシーンがあったのよ」と笑いながら現場での二人の仲よさぶりをインタビュー語っていたりもしました。現場では撮影の合間に二人でマリンスポーツを満喫しまくっていたそうです。

 スコット・カーンは「ワイルド・バレット(Running Scared)」もプレミア上映のときにポールさんと一緒に見たとか。スコットさん曰く「ポールは俳優業は自分にとってそんなに重要じゃないっていうだろうけれど、でも当人が思っているよりもはるかに情熱を傾けていたんだ。あいつは熱い男だからね。ちょろっと関わるだけで済ますなんてできないタチなんだ。自分では気がついてなかったかもしれないけれど」と。

 スコット・カーンの書いた脚本を2本読んだと電話がかかってきて「ワイルド・スピード」シリーズが終わったらこれで一緒に映画つくりたいと話していたとか。

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 スコット・カーンがポール・ウォーカーと直接会って話したのは、事故の1年前くらいのこと。ハワイで過ごした時間が最後だったそうです。

 

 そうそう。エリエル・スウィントンがこちらで話していたポールさんの思い出がまた可愛らしくて、テキサスで寝泊まりするようになって二日目にポールさんが部屋を訪ねてきて、「君ってどこどこ高校出身のオール・アメリカ・フットボールのランニングバックのエリエル・スウィントンだよね??」で、「僕ら高校の時に試合してるんだよー!」と。二人でアメフト話に花をさかせたとか。だからエリエルさんにとってはポールさんのイメージは車好きというよりはフットボーラーなんだそうです。

 

 

私の好み度: ⭐️⭐️⭐️/5

🍅: 41%

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