歌手としてデビューしたあと泣かず飛ばずのルディはレコード店の副店長とナイトクラブの前説司会で食いつないでいた。
ある時、レコード店に乱入してきたホームレスのしゃべりの面白さに着目したルディは夜、そのホームレスを訪ねていき彼がくりだすさまざまなギャグを書き取り、どのネタに手を加えキャラ作りをし、ついにナイトクラブの前説でネタを披露。大ウケしたところからルディの快進撃がはじまる。
ルディ・レイ・ムーアやドールマイトの存在をまったく知らなかったので、冒頭で”本当にあった話”と言われても、成功するのか事件をおこすのか失敗して転落するのかさっぱりわからないままみていた。
主人公はどうやらデビューには成功したけれど結局鳴かず飛ばずで終わってしまいそうなおじさんルディ。下ネタギャグで受けてじょじょに調子を上げていくというくだりは、そのネタ自体がどう面白いかどうかが悲しいかなわからなかったので、このままコメディアンとして成功する話だとしてもギャグの面白さがわからないからあんまりピンとこないなぁといまいち入り込めずにいたのだけれど、ルディが映画づくりをはじめようとするあたりから俄然面白くなってくる。
なんというか完成した作品がグダグダであっても作ってる人たちの熱意は否定しちゃいけないなぁと軽く反省したり。 何が人々にうけるかどうかは蓋をあけてみないとわからないところって映画やドラマには確かにあるなぁとか。 作り手側の面白さや高揚感そのあとのやり遂げた感をちょっと追体験できた気分になって面白かったり。
最後の方になってこの人がラップの祖父と言われているような人とかしって驚いたり。いい面楽しい面しか描かれていないので、バイオフラフィーものとして、映画として物足りないところもあるのかもしれないが、気がつけばすごくハマりこんでケラケラ笑い転げながらみていた。
ポジティブしかない映画で、ポジティブな気分をおすそ分けしてもらえた気分。
うん。面白かった。
そういえば劇中で撮影していた映画。あまりにもグダグダでバカバカしさ全開なノリで実際の話っていってもこのあたりはフィクションだよなぁとか思っていたら、あとで実際のドールマイトの映像がうつって、実に忠実に再現されていたと知り、大ウケしてしまった。
映画って魔物!
私の好み度: ⭐️⭐️⭐️⭐️/5
🍅: 97%