So Be It

見た映画やドラマでFilmarksにない作品の感想と覚書。時にネタバレを含んでいますのでご注意ください。

Adult Life Skills

祖母の家の納屋にこもり、ウェブにアップするためのビデオの製作に勤しむアナ。

  化粧っけなし、オシャレっけなし、男っ気なしなアナを心配する母親は、30歳の誕生日を節目に一人暮らしをするようアナをせっつくがしかしアナは耳をまったく貸さない。ある日、隣りに住む少年クリントの母親が入院し、父親がもどってくるまでクリントはアナの家に泊まることになる。

 

 前半から中盤戦まではちょっとわかりにくい。主人公のアナのちょっと外れた行動の原因が明確に示されていないからだ。 LDかADHDだったりするのだろうかとも思ったりしたのだがどうやらそういうことでもなく、子供の頃のままの生活スタイルを頑なに変えずにいたら気がつけば30歳目前だったということらしいなと。で、それを母親が心配しているわけなのだが、アナがそうなったのにはもちろん理由がある。 その理由が明かされるまではあまりピンときていなかったのだが、理由が見えてきてからは涙腺崩壊の一途を辿ることとなる。

  社会生活に乗り遅れ、気がつけば30代。クリエイターなりを志していて、でもなかなかとっかかりがつかめず気がつけば...ということを監督は描きたかったらしかったのだが、そこは...インタビューを後から読まなければよくわからなかった...というか、ほっとんどわからなかった。主人公に恋する不動産屋の息子ブランドンの悩みやラストが、そのインタビュー読んだおかげで「ああ、それでー」という感じで腑に落ちたくらい、そのテーマに関しては描けてなかったと思う。というか、別にそこはいらなかったんじゃなかろうか。

  この映画で一番強烈に突き刺さってくるのは愛する人を失ったあと、その悲しみからどうやって立ち直り、前に進んでいくかというくだり。

  アナは実は双子の兄を亡くしている。 面白動画は二人で取り組んでいたもので、劇中アナが作ろうとしていたのも、二人で構想していた作品だ。

 同じく喪失の悲しみをこれから越えていかなくてはならないのが隣人の幼い少年クリントくん。 この子は間もなく母親をガンで喪おうとしている。

 アナがこの子に対して母性本能をみせるかというと全然そんなことはない。むしろ幼いクリントくんのほうがアナよりも精神的にはぐっと大人な感じだ。

 アナをみながらクリントくんはお母さんを失ったあとの悲しみに備えていく。

 アナのように納屋にお母さんとお父さんとの楽しい思い出の写真をたくさん貼り、幸せだった時間をなんとかそこにとどめておくというか保存しようという努力をする。

 クリントくんはアナのことを慰めてあげようともするのだがアナは耳をかさず、あげくこのお母さんを失った直後のクリントくんに残酷すぎる暴言を吐き、周囲をドン引きさせる。

 いや、私もドン引いた。

 しかし、喪失の悲しみから前に一歩も進めない状態というのはこういうことなのかもしれない。

当人が当人なりに乗り越えるしかないが、当人の苦しみも相当なものだ。

私は双子ではないので推測でしかないが、この世に誕生した瞬間から双子でずっと仲良くて不意に片方を喪うことがあれば、喪失感もなにか凄まじそうな気もする。

 

 悲しいのは自分一人だけではない。

 自分を心配している人たちがいる。

 アナはようやく前に進む準備ができたようだ。

 まずは周囲を思いやることができるようになることが大人への第一歩。

 そういうことなのかもしれない。

 📝

- We've lost communication now,

- if I can't communicate with people I love...what does that mean? Peace and quiet?

Do I exist?

 

Clint: Is this Billy's?

Anna: No. It's mine.

Clint: Why have you got your hair in a pot? It's from just after he died. Your body's made up of millions of cells and I read somewhere that all your cells will be replaced every few years. So every day I'm alive I'm less and less the person I was when I was with him. And one day, there'll be nothing physically left of me from when he was here.

 

Clint: Knew you were sad and angry all the time!

Anna: Yeah, well maybe I just didn't want to tell ya that what's happenin' to your Mum...will fuck up your life! And you'll never be happy again!

 

- I wanna be alone.

- You are alone.

- Can somethin' exist elsewhere, after it's stopped existin' here? Like a parallel universe? Like a website.

- I dunno.

- Are there parallel universes?

- They don't know what's out there for sure. Know one thing that ain't there...

- Wot is it?

- Me.

 

- Am I still a twin if my twin's dead?

- Um...Technically...I don't think so, no. 

 

Clint: There's this man...who made a boat...kept sailin, and sailin' it. Every time he sailed it, it got old. And it keeps breakin'. And he keeps gettin' a new bit, every time it breaks. Then one day, he realized...there was nothin' left of the old boat, it was only new bits. That he thought in his head...if it were the same boat? Isn't one. It's one of them questions but you have to think about.

 私の好み度:⭐️⭐️⭐️⭐️/5

🍅: 73%

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