アレックス・ガーランド氏の作品とは残念ながらどうも相性が合わないようだ。見終わった今、なんとか感想を書こうと試みているが、頭の中は真っ白で何も思い浮かばないので困っている。
映画全体的には幻想絵画的美しさを持っていた。懐かしいような、見知らぬような、安らぐような、怖ろしいような、現実と悪夢が融合したような、光に晒され、美しいが落ち着かない世界。生きて帰ったものはいないと外から恐れられている世界では条理と不条理が混在し、そこに意味や物語を求めることを拒んでくる。
映画館のスクリーンと音響で見たのならば、閉ざされた異世界の異様な美しさに圧倒されたのだろう。しかし、テレビでは舞台録画を見ているような感覚しか得られず、そこからこの作品を判断するのはフェアではないのだろうとは思う。
“Ex Machina”ととても似てるなと思った。当たり前といえば当たり前なのだが、ああそういえばこういう語り口をする人だったと、この“Annihilation”を見ていてまず思ったことはそれだった。
この監督を苦手と感じる一番の原因はこの人の肉体のあつかい方だ。根底に冷たさを感じてしまって、そこがどうも苦手なのだ。
私の好み度:⭐️⭐️⭐️/5
🍅: 88%