静かな語り口で淡々とクリス・カイルという人物の人生の軌跡を辿っていく。
作り手の主観や感情は可能な限り排除し、クリスを追っていく。“描く”というよりは追っていく感じだ。クリスが直面した現実がページをめくるように展開していく。
非日常すぎる戦場での日常と本国に戻ってからの普通の日常。
戦場に出る兵士が経験すること、それがもたらす当人やその家族への影響、そして戦闘地帯で起こっていることなどが端的に描かれ、様々な難しさを思い知らされる。
祖国を守るため、家族を守るためと言われて、兵士とその家族が支払うことになる決して癒されることのない大きな犠牲。
まともでいられるはずのない過酷すぎる戦闘地帯での現実。戦争が人の人生に何をもたらすのか。どちらのサイドもなぜこのような“犠牲‘を払うことになったのか、それを止めること、終わらせることはできないのか、そういったことを考えさせられる映画だったと思う。
私の好み度: ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️/5
🍅: 72%