渋い。最後の最後まで手抜かりのない渋くてカッコいい映画だった。
I've been poor my whole life, like a disease passing from generation to generation. But not my boys, not anymore.
無鉄砲な兄貴と聡い弟。
定年前で口の悪い老レンジャーと、先住民ネタでからかってくる相棒にうんざりしながらも何かと思いやってくれる心広い相棒。
この2組のバディがどちらも本当に魅力的で、どちらに肩入れしていいものか最後まで決められない。
テキサスという土地柄とテキサスの人々の描かれ方にも圧倒される。
広大などこまでもひろがる不毛の地。さびれた街。広大な土地によって返って感じる人生の行き詰まり感、閉塞感。しかし、そこで生きぬく人々の逞しさ、図太さ、ふてぶてしさも生半可ではない。うまくいえないが、どんな状況下であっても生き続けるしかないことを良くも悪くも骨身にしみて悟っているような。諦めというのではない。息をしている限りは生き抜くという野生に近いような、そんな生き様。銃を所持し、自衛できる、対処できるテキサスっ子の誇りのようなものも、この映画をみて少しばかり理解できた気がする。
どちらのコンビも魅力的なのだが、やはり兄弟の描かれ方がステキだ。どちらも自分の生き様を自分なりの強さで貫いた。乱暴で無造作な兄弟愛、家族愛がたまらなくカッコいい。うまく言葉では言い表せないというか言葉にしてしまいたくない何かがクライマックスにかけてグッと込み上げてくる。
ラストがこれまためちゃくちゃカッコいい。本当に“カッコいい“とはこういうことだと。終始やられっぱなしな感じで。

Hell or High Water (Original Motion Picture Soundtrack)
- アーティスト: ニック・ケイヴ& ウォレン・エリス
- 出版社/メーカー: Milan Records
- 発売日: 2016/09/02
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私の好み度: ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️/5
🍅: 97%