イギリス人魔法使いのニュートは魔法生物学者。絶滅寸前の魔法生物たちを保護することに日夜奔走している。そんなニュートが保護した魔法生物を故郷のアリゾナに返すため、アメリカにやってくる。ところが、トランクに保護していた魔法生物が数匹逃げ出してしまい、アメリカの魔法省や人間に傷つけられる前に保護しようとするが。
隅から隅まで丁寧に作りこまれているなという印象。
世界観はハリーポッター好きなら、さらなる奥行きにワクワク感で身震いすること間違いなし。感情の機微も丁寧に描かれていて、その丁寧さがわざわいして時々もどかしくなるけれども、物語が動きだすと作者の気骨は変わらないなとニヤリとしてしまう。
加えて魔法生物のディテールや世界観など、イマジネーションの豊かさにつくづく感動してしまう。
懐かしい、美しい、でもまだほんの入り口にしか立てていないようなもどかしさもある。まだまだ、何か大きなものを孕んでいそうな気配。もっと深いところに連れて行ってくれるような気配。今作ではその気配に触れることしかできないのが残念。
物語の大海に泳ぎだす気構えでいた身からすればちょっと肩透かし。でも嫌いじゃない。世界観も主人公も好きなので、今後を楽しみにしたい。
私の好み度: ⭐️⭐️⭐️⭐️/5
🍅:75%