人間のお役に立つように博士が10年の歳月を注ぎ込んで作り上げたロボット。博士の最終目標はこのロボットの軍での実用化だ。人間の代わりにロボットが戦えば、戦地で死者を出さずにすむ。戦争利用目的なのでアシモフの3原則はこのロボットには適用されていない。
このロボットは命令通りに動く。命令通りなので忖度は期待してはいけない。思う通りの成果を出したければ、きめ細やかに指示する必要がある。この融通のきかなさをなんとかしなくては審査に通らないので、博士はロボットに感情を持たせることにする。その結果どうなったか。
機械は機械であり、ロボを素晴らしくするのも恐ろしくするのも人間だ。使い手の欲望を良くも悪くもロボはストレートに反映する。ゆえにロボは恐ろしくもあり、素晴らしくもあり、醜くもあり、美しくもある。
お笑い満載、アクション満載、その上、歌とダンスもこれでもかと盛ってくる。サービス精神旺盛で、娯楽性をとことん追求。荒唐無稽に破天荒をあれほどてんこ盛りしても、物語ることも忘れないのもすごいなぁと。お約束からトンデモまで限界値の針をどこまでも振り切ってくる怒涛にもはや脳も情報処理を放棄する。エンディングロールが流れる画面をしばし無我の境地で見つめてしまった。
なんかいろいろと本当にとんでもなかったけど、覚悟していたよりも全然見やすくて楽しめた。テンポも悪くない。ことあるごとにいちいち歌とダンスシーンの挿入があるにもかかわらずだ。まぁ、長いと感じないわけでもないのだが、歌とダンスとアクションの最後の最後まで衰えることのない凄まじいまでのテンションの高さにすべて吹き飛ばされてしまう。物語はシンプルではあるが、流れはなかなか予測不能。こう来るのかなというこれまで見てきた映画で培われた勘は結構な確率で裏切られた。こういった違いが感じられるのも文化が違う国の映画を見る時の楽しさなのだろう。凝り固まっていた固定観念をときほぐしてもらったような気がしないでもない。
はじめてのインド映画だったので、美徳や落としどころの違いなど、いろいろと新鮮で興味深かった。今回は面食らうことの方が多かったが、何本か見てあちらのお国柄、笑いやお約束のお作法などが分かってくればますます楽しくなってくるのだろうなという気がする。
それにしても映画の撮影だけでも十分に大変そうなのに加えて、凝りに凝りまくったMVのような歌とダンスシーンも盛りだくさんなのだから、作り手のみなさんの気力体力たるや凄まじいなと。
...しかし、蚊のみなさんの界隈も色々と大変なんだなぁ。
蚊の気持ちなんて、これまで微塵も考えたことなかったよ...うん💧
私の好み度: ⭐️⭐️⭐️⭐️/5
🍅:60%