So Be It

見た映画やドラマでFilmarksにない作品の感想と覚書。時にネタバレを含んでいますのでご注意ください。

Holy Money

 俳優追いで映画を見ると、トンデモ作品にぶちあたる確率は格段に跳ね上がるのはわかっていたけれど、いやはや、久しぶりにとんだカオスな映画を見てしまった気がする。まぁ、英語字幕すらついていない状態で、さらにイタリア語訛り英語まで飛び交っていたので、いささか内容把握度合いに不安はあるものの、でもセリフを正確に把握できたからといってこのドンデモ具合が軽減されるとはとても思えない。

  以下、結末まで力一杯ネタバレするつもりだが、日本未公開作品...というか、イタリアとベルギーでしか上映されていないのでアーロン・スタンフォード (Aaron Stanford)にハマりでもしない限り、この映画をみる機会はほぼないと思うのだけれど、以下、スポイラーしまくりです。

 

You've been warned!

 

 内容はこんな感じ。

 

 主人公のアントニー はイタリアからイギリスに移民し、イタリアン・レストランを営む両親を持つ。アントニーと同じくイタリア系イギリス人のダリオは幼馴染だったが、しばらく交流は途絶えていた。ところが久しぶりに再会し、手紙の代筆を頼まれたアントニー。しかし、その夜、ダリオは交通事故で炎上した車の中で死んでしまう。

 お葬式のあと、アントニーは代筆を頼まれた手紙の相手のシャーロットを探し、会いに行く。アントニーはシャーロットからダリオが二人の両親の故郷であるセント・アンッジェロのぶどう畑を購入し、そこで美味しいワインを作って街を有名にするという夢を持っていたときかされる。そして、もしも自分の身に何かあった時はアントニーに受け継いでほしいとシャーロットに書類を預けていた。

 すべてが寝耳に水のアントニー。ところが家に帰ったその夜、見知らぬ男から、とんでもない大金をみせられ、受け継いだばかりのぶどう畑を売ってほしいといわれる。突然のことに戸惑うアントニー。とりあえず男を家から追い出し、イタリアへ飛び、セント・アンジェロに向かう。

 しかし、アントニーを待っていたのは手入れのまったくされていない荒れ果てたぶどう畑で、そこでとれたぶどうで作ったワインもとても飲めた代物ではなかった。

 ところが、イギリスでアントニーを訪ねてきた男が、さらなる大金を積み上げ、畑を売ってほしいと持ちかけてくる。

 

 幼馴染の不審な死に、どうみても価値はなさそうなこの畑を高額で売ってほしいという執拗なオファー。この裏にどんな秘密が隠されているのかと思いきや、セント・アンジェロを有名にするためにダリオが奇蹟をおこそうと計画していたことが判明する。敷地内にはセント・アンジェロの古びた教会があり、そこで奇蹟が起こったとなれば、街は有名となり、奇蹟がおきた地が育んだぶどうから造られたワインが大金を生むことは自明の理。

 ....まじめにぶどう畑手入れした方がいいんじゃないかと思わないでもないが、奇蹟を起こして、ヴァチアカンから奇蹟認定を正式に受けてしまおうっていうのがダリオの計画。そのためにマフィアの奥さんと懇意になり元手となる大金を借りたダリオ。命の危険を感じて自分の死を偽装しつつ、予定通り計画を実行するためにアントニーを利用するわけだ。

 幼馴染のアントニーはダリオからしてみれば簡単に行動の予測がつきやすく、動かしやすいコマでしかない。ダリオが死んだと信じるアントニーは亡き友人の夢と思っているので、事情がわかるまではどんなに高値を言われても畑を売る書類にサインはしなかったし、奇蹟を起こすというダリオの計画を知ったアントニーはそれを実行する。しかし、奇蹟を起こしたあとは、どこからかアントニーが死ねばぶどう畑の所有権は村の者になるという噂がながれ、村の住人から容赦なく命を狙われることに。さらにダリオの命を狙っていたマフィアもアントニーを見つけだし、金が返せなければ、死んでもらうと脅してくるし、奇蹟を認定するヴァチカンから派遣された役人はインチキだとばらせば長期服役は免れない。もしくは奇蹟認定するかわりに売り上げ金の何パーセンかを渡すようにと、これまた脅してくる。

 とんだ幼馴染みをもってしまったがために、さんざん命は狙われるわ、拷問されるわと大災難なアントニー。建築家としてロンドンで結構普通にいい暮らしできていたのにねぇ。

 最終的にもうとことん救いのない状況に追い込まれて、その総仕上げにダリオが現れるっていう。それまでダリオは死んでると思っているから、アントニーは頭真っ白。しかも助けに来てくれたのかと思いきや、アントニーをどんな風にハメたかを懇切丁寧に説明してくれる。もう本当に最初の最初から仕組まれていた。そもそもダリオにとってはアントニーは友達でもなんでもなかったっていう。ダリオからすれば、イギリスにすっかり馴染み、故郷を忘れようとするアントニーの姿勢が許せなかったみたいなんだけど、そんなのほっといてあげなよー。人それぞれじゃん。

 ダリオはアントニーが自分の計画通り偽の奇蹟をしかけてくれたので、念願通り、サント・アンジェロの名前を有名にすることができ、罪はアントニーの仕業に見えるようにすべて仕組んであるので、あとはアントニーを殺せばいいだけ。

 可哀想なアントニーは椅子に縛られたまま、ダリオから銃口を頭にピッタリとくっつけられ...容赦なくダーンと銃声が鳴り響く。

 寒い。

 なんの救いもない。

 まぁ、ヨーロッパの映画って見慣れてないし、こういうものなのかな。 それにしても主人公全然救われねー😢

 

......なんて、たそがれる間もなくアントニーの独白が。

 

”奇蹟なんて絶対起こらないなんて誰が言ったんだよ”

 

と。

 

次のショットで医療機器に繋がれたアントニーが。

生きてたのかということも驚いたけど、目を閉じていたので、このまま植物状態とかなのかと思ったら、ぱちりんと目を開けるという。

ちょっと待て。

え?? 奇蹟...が起こったってことなの??? と、見ているものを混乱の渦に突き落とし、エンデング・ロール....... 。

 

アントニーを演じていたのがアーロン・スタンフォード氏。ドラマの12モンキーズのジェームズ・コールでハマり、ドラマのNIKITAのバーコフでさらにハマり、ただいま順調に沼に沈み中。

というわけで、はじめて髭なしアーロンさんを見られたとか、ほぼ出ずっぱりなのでたっぷり堪能できたとか、俳優沼的には嬉しい面があったことは認めるけど、でも、でもねぇ。

 

あのあとアントニーさんの運命はどうなるんだろう。

ダリオの犯した罪を警察に話して、イギリスに帰るかな。

奇蹟の証としてダリオやセント・アンジェロのから一生出してもらえない可能性の方がたかそうだな。

 

可哀想に...😓

 

私の好み度: ⭐️⭐️/5

🍅:なし

www.imdb.com

 

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