"2001年宇宙の旅"の続編。
極めて普通な仕上がり。続けてみると前作が映像化にあたって何を試みようとしていたのか、何にこだわり、挑戦してみせたのかということが一段とよくわかる。前作はこうなることを徹底に避けて仕上がった作品だったのだなぁと。
冷戦時代の作品なので平和を願う気持ちが強く打ち出されたというのはわかる。あれだけとんがりにとんがった世界観がとんでもなく丸みを帯びてわかりやすく収まったという印象。前作同様、HALに纏わるドラマはやや脇に追いやられ気味。自己犠牲を受け入れるHALにはきゅんとならないではないが、前作で死闘を繰り広げたHALとデイブがあっさり和解しているのがモノリス様のおかげと言われてしまうと、えらくご都合がよろしゅうございますなぁとついつい乾いた笑いがもれてしまう。そんなに丸くおさまるならそりゃ幸せだろうけれど、でもまぁ、緊迫した世界情勢からそういうことを切実に願いたくなる気持ちもわかる。
前作の無機質感や異世界感を思えばドゥニ・ビルヌーブ監督が"2010年"というか”2001年宇宙の旅”の続編を撮ったら面白いかもとちょっと思ったりもした。まぁ、あくまでも好みの話だ。
私の好み度:⭐️⭐️/5
🍅: 64%