So Be It

映画の観方と楽しみ方を勉強中。ネタバレを含んでいますのでご注意ください

2001年宇宙の旅 (2001: A Space Odyssey)

長年の積読(?)作品だった“2001年宇宙の旅”をようやく見た。

2001年宇宙の旅 (字幕版)

2001年宇宙の旅 (字幕版)

 

 

 暴力的なまでの睡魔と終始戦わなければならなかったことを除けば思ったよりも面白く見られた気がする。

 と言っても冒頭のお猿さんの暮らしぶりの描写には面食らった。そこから進化の過程を始める気かと心が折れそうになったもののなんとか無事に意識を保ち、2001年へ。

 可能な限りリアルを追求した描写で50年前に打ち出された”こうなる予想“はかなり的確にその後のテクノロジーの行き先を言い当てていて驚かされる。それとも子供時代にこれを見てワクワクした子供たちがこれを目指したくて大人になってテクノロジーに携わる職についたからいい線をついた予想になったのか。このあたりを考察するのも楽しい。

 あとはあの映画やドラマで見たシーンや話はこれのオマージュだったのかと思い当たることもたくさんあって、この映画が与えた影響というものの大きさという点もそういうことかと納得してみたり。

 無重力感、宇宙船の中感を出すための視覚的工夫も色々と面白い。当時のフィルムの値段の高さを考えても、色々なことに勇猛果敢にチャレンジをした画期的な映画だったということもよくわかる。

 しかしこの映画で1番面白いのはなんといってもA.I.のHAL9000の存在だろう。

 人間の脳を模して作られたコンピューター。絶対ミスをするはずのないコンピュータがミスを侵しだし、与えられた仕事に疑問を持ち、死の恐怖に怯えだす。人間の脳を模したから正確に再現するとそういうことになる単なるメカニカルな結果の現れなのか、それとも意思を持ったということなのか。そもそも意思とはなんなのか。知的生命体の定義とは?などなど色々と哲学的思考を刺激される。

 50年前にこの手の物語が既にあったんだなぁと思えば、この後に作られたA.I.テーマの物語の多くはここで投げかけられた疑問に自分なりの思考と答えを出したくて作られたにではないかと思えてくる。デイブとHALの生き残りをかけた死闘はスリリングだし、胸をうつものがあるり、このくだりだけはさすがの睡魔もなりを潜めた。

 しかし、この映画がすごいというか、わかりにくい要因となっているのは、この1番ドラマとして盛り上がったエピソードさえメインテーマではないというところではないだろうか。モノリスの存在は厄介だが、それ以上にデイブの放り込まれた部屋が難問だ。パラレルワールドだろうか、それとも時間の流れという概念を無くした世界だろうかとか、色々想像をかきたてられつつ、胎児の出現に、実はあの戦いはHALが勝っていたということか??などと妄想を膨らませるだけ膨らませ、”えー、何これ??わからーん“と頭をかかえる羽目に。

 エンディングロールが流れる中、解説を探し出して読めば、あの胎児はさらなる高度な生命体に進化したデイブの姿とあり「ふぅぅぅーうううううん??」とわかったようなやっぱりわからないようなというか腑に落ちないようなとなる。

 モノリスとの遭遇がお猿さんの進化を促し、さらに人類の進化を促すってことが言いたかったの?モノリスってなによ??高度知的生命体???さんざん観察された後、デイブはスターチャイルド??? つまりHALとの死闘もデイブがさらなる次元に進化するための試練ということ??などなど、いつまでもどこまでももやもやが収まらず、そりゃ議論するネタもつきないわなぁということで、不朽に取り上げられ語られるのも納得かなぁと。

 納得ではあるけれどあの流れで最初からそのストーリーを読み取るのは私的にはちょっと難易度が高すぎる。まぁ、ともあれ睡魔に屈することなくどうにか最初から最後まで意識を保って見られたことはめでたい。もう「”2001年宇宙の旅“はいつか見ないとなぁ」とタイトルを見るたびに気鬱になる必要もない。この気持ちを味わえただけでも、もう充分満足だ。

 

私の好み度:⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️/5

🍅: 93%

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