アーロン・サーキンス脚本映画。有り体に言えば、大統領だって普通の恋がしたいんだもん的ラブストーリー。Must seeドラマに挙げられる“ホワイトハウス(The West Wing)”の雛形ともいえる映画。
あらすじ
アンドリューはシングルファーザーで大統領。支持率64%の勢いで犯罪規制の法案を通そうとしていた。温暖化対策の法案を通したい環境保護団体はシドニーという女性ロビイストを雇い、大統領と交渉させようと送り込んでくる。ところがアンドリューの存在に気がつかず大統領対する毒舌を言い放ったシドニーにアンドリューは一目惚れ。シドニーにデートを申し込むが、大統領選挙が近いこの時期の色恋沙汰は敵陣営に中傷の機会を与え支持率が下がると大統領のサポートチームは心配するのだが...
感想
大統領は選挙の時に奥さんを癌で失い、男で1人で娘を育てている。親子関係は超良好。アンドリューもシドニーも有能だし、いい人だし文句のつけようのないカップルだ。大統領が普通の民間人のように日常生活をこなすとなると、いちいち大変。お花1つ買うにも大騒ぎ。大統領が1個人として振る舞うのはとんでもなく大変そうで、そのアンバランスさをわかりやすくコミカルに描いているのも楽しめる。
しかし、もうそんなことはどうでもいい。
何よりもこの映画の肝はクライマックスのアンドリューの演説だ。熱く人の心を揺り動かす。ああ、こんな人がリーダーだったらどんなにいいか...なんて感情が熱く込み上げてくる。もうその効果たるや麻薬的。ものすごい勢いでぐいっと演説の言葉に引き込まれる。ああ、こんな人が大統領だったらアメリカ国民であることを心から誇れるのにとアメリカ国民でもないのにパトリオットになっていまう...。これまでのゆるゆるのラブロマンスの結果なんてもうどうでもいいよと思わされてしまう。このスピーチのためなら待つ価値十分ありと思わされちゃう。
恐るべしアーロン・サーキン!なんてすごいウエポンをもった脚本家さんなんだろう。確実に心の琴線に触れてくるってすごすぎないか?自分が唐突に感じた高揚感を思えば、ワタシってなんて簡単に洗脳されちゃうんだろうと空恐ろしくもなる。俳優さんもこの長ゼリフ覚えるのは大変だろうけど、この快感を味わえるなら本望だろう。たぶん。“The West Wing”が俄然みたくなってきた。
ーAmerica isn't easy. America is advanced citizenship. You've gotta want it bad, cause it's gonna put up a fight. It's gonna say 'You want free speech? Let's see you acknowledge a man whose words make your blood boil, and who's standing center stage and advocating at the top of his lungs that which you would spend a lifetime opposing at the top of yours.' You want to claim this land as the land of the free? Then the symbol of your country cannot just be a flag. The symbol also has to be one of its citizens exercising his right to burn that flag in protest. Now show me that, defend that, celebrate that in your classrooms. Then you can stand up and sing about the land of the free.ー
私の好み度: ⭐️⭐️⭐️⭐️/5
🍅:91%