アーロン・ソーキン・マジック炸裂。
軍というもののものの考え方に慣れていないと些か面喰らう。
戦地では上官の命令は絶対。兵士は命令に従うよう徹底的に訓練を受ける。上官の命令に逆らうことは兵士として許されない。そこを根拠にサンティアゴ一等兵の殺害の容疑者であるドーソン上等兵とダウニー一等兵の無罪判決をねらうキャフィ中尉。物証もない。状況をみれば勝ちめのない裁判。検察との取引で物事をおさめるつもりだったキャフィが法廷でこの2人をどう弁護するのか。
長さ2時間強。重たい話なんだろうと覚悟をもって挑んだが、見やすくわかりやすい、時間の長さを感じさせないスリリングさが全編通してあった。
US navy とUS attorney。
立場や手段は違えど“人を守る”ために戦っている。実戦経験のないキャフィを軽蔑し敵視していたドーソン上等兵。
ラストの相互理解と敬礼を交わすシーンが美しい。
軍人として弁護士として、そして人としてどうあるべきかという理想の姿がそこにある。美しく高い理想。しかし、そうありたいと胸を熱くさせられる。
そこはもうアーロン・ソーキン・マジックとしか言いようがない。この人の作品はいつも心に誇りという灯をともす。
まんまと熱くなってしまって、エンディング・ロールを見ながら、またヤラレターと苦笑い。
ホント、すごいなぁと思う。
私の好み度:⭐️⭐️⭐️⭐️/5
🍅:82%